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 秋葉原の連続殺傷事件を受け、なにやら警察庁が、銃刀法を強化したナイフ規制法を次期国会に提出するようです。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080717-OYT1T00316.htm
 しかし、肝心の事件の原因であり、犯人を無差別殺人にまで追いつめた、期間派遣問題についても、トヨタ・関東自動車正社員の非正社員に対する差別的な企業文化についても一切手つかずのままで、ダガーのみを規制したところで、事件防止どころか、むしろ事件原因を温存しただけで終わってしまうのではないでしょうか?


 なぜ、こういう訳のわからない(事件防止の実効性の低い)法律になってしまうのかを考えたとき、やはり、田中康夫先生、小沢一郎塾長の仰っていた、官僚主導政治の匿名性の問題が大きくあるのでは、と思えます。
 官僚は個々人の名前が表に出てこないため外部からは匿名性によって守られており、そのため、内向きに「形だけ」対策を取ったことにすれば、経歴的にはむしろプラスになるのです。そのような現状があるからこそ、波風が立つ「期間派遣の再禁止」や「トヨタ・自動車産業に対する行政指導」ではなく、「力の弱いナイフ業界に対する嫌がらせ」と「社会的発言力の低いオタクへの責任転嫁」で決着を付けようという動きになるわけです。
 しかし、これでは、世の中はつまらない規制ばかり増え、一向に良くなって行きません。


 本来であれば、こういう事件に対する対策などは、議員立法で緊急対策を講じ、政治主導で戦って行くべきものです。
 日本での秋葉原事件の直後に起った、上海での日本製包丁による公安支局(警察署)での連続殺傷事件を見ればわかるとおり、ダガー形状のナイフの殺傷力が特に強いというわけではなく、どんな道具であっても、犯人の利用方法次第ではとんでもない殺傷力を持った凶器になり得るのです。
http://chiquita.blog17.fc2.com/blog-entry-3342.html
 上記を見ても、犯罪の原因を追及せずに、単に凶器に使われた種類の道具だけを規制しても、まったく犯行を防止する役に立たないのは明白です。今度はナイフ、次は包丁、と、国民生活への影響を顧みずにどんどん規制の枠を広げたところで、犯行の原因さえあれば、犯人は次々に凶器を変えてくるだけなのですから。
 国民の声を背景にした被選挙者であるからこそ、波風を恐れずに大企業の利権や社会構造の問題に踏み込めるのであり、匿名制に守られなければならない官僚には、そうした思い切った行動は、決して出来ないのです。
 事が起れば、とりあえず事件に関係してそうなものを単純に力の弱い順に並べ、弱いところから叩いていこうというのは、官僚主導政治の典型的な問題であると言えます。


 日本が右肩上がりの成長を終えた以上、こうした事件に限らず、国民生活に密着した緊急を要する案件は、今後も次から次へと出てくると思われます。
 連続殺傷事件のような衝撃的な事件が起ってすら、その原因である企業体質や派遣利権の問題に一言の文句も付けられないのですから、刻々と状況が変わる事が予想される今後の日本の運営には、官僚主導政治では、一切対応することが出来ません。
 一日も早い政権交代が必須なのです。




 ちなみにまったく個人的な話ですが、幸か不幸か、私は諸刃の刃物が嫌いなので、ダガーやそれに類するものは一本も持っていません。海でも、片側エッジのナイフで何とかかんとかやりくりしています。
 しかし、ダガー形状のナイフは、デザインナイフの世界では最高級のデザインとされているものが多く、中には数百万円の値が付いているナイフも多く出ています。ナイフの祖である、かのラブレスナイフの中でも、ダガーは極めて高い評価と高い価格を誇っています。財産として、諸刃のナイフを持っている者も多いのです。
 そうした、国民個人の財産を、いとも簡単に没収して鉄くずに変えるというのは、民主国家としていかがなものなのでしょうか?
 どうしても禁止をするにしても、例えば、今までは日本刀にしか認められていなかった美術登録をナイフにまで広げるなど、国民財産に対する救済措置は必須なのではないでしょうか?
2008-07-19_10:06-teduka-C(0)::Politics