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 本日の衆院参院双方での全議員会議を乗り切り、小沢一郎代表続投が決まりました。
 さて、ここで気になるのが、唐突に出てきた辞任論です。
 実は、小沢一郎続投反対の怪気炎を上げている議員には、3つの特徴があります。


特徴1.小選挙区で落ち、比例復活した「ゾンビ議員」であること
 小選挙区で落ちたと言うことは、国民が、彼女、彼らの名前を書くことを嫌がったと言うことです。そして、本人の名前ではなく民主党のスタッフとして当選した議員であるわけです。
 民主党の党名で当選しておいて、党の決定した方針に逆らうというのは理解に苦しむところですが、いずれにしても、国民の目からして、一度明確に「議員失格」の烙印を押された議員であるのです。


特徴2.前原派に所属していること
 民主党には基本的に派閥はなくなるべき、というのが小沢一郎の考えであり、事実、小沢派というのは党内に存在しません。私もお世話になっている一新会というのは、勝手連的に小沢一郎を応援しているだけで、実は小沢塾長とは特に関係のない組織です。
 しかし、民主党内には未だに旧態然とした党閥政治を行っている集団も存在します。
 党閥政治の是非はともかく、そうした意見の食い違いを持つ議員の中でも、特定派閥所属の議員だけが今回続投反対を掲げている点に注目してください。


特徴3.記者クラブ所属の大手マスコミ出身であること
 そして、これが最大のポイントですが、今回小沢一郎続投に反対している議員は、いずれも記者クラブ所属の大手マスコミ出身であることが挙げられます。
 実はこれが、今まで支援を黙認しておいて、ここ数日で急に小沢一郎続投反対といいだした最大の理由なのです。
 事実、小宮山洋子議員や近藤洋介議員が騒ぎ始めたのは、小沢一郎塾長の涙の会見のあと、ある質問があった後なのです。
 それは、来る民主党政権において「記者クラブ」なるものを存続させるのか否かという質問でした。


「小沢代表から記者クラブ開放の言質をとった記者会見での質問」 上杉隆
http://diamond.jp/series/uesugi/10071/


 実は、この質問に反発して、マスコミ記者クラブ利権を持ついわば「記者クラブ利権議員」が猛反発をしているというのが、今回の騒動の真相なのです。
 今回のブログでは、この「記者クラブ」とは何なのか、という点に話を絞ってご説明しようと思います。




 「記者クラブ」とは、そのクラブ活動風の自由でのんきな名前とは異なり、戦前、帝国議会発足と共に誕生した組織であり、原則取材禁止の帝国議会に対し、記者が集うことによって情報を一元化して得ようという事で始まった団体などの名称であり、その最上部に位置する日本新聞協会は、半官半民の文部科学省所管の社団法人の形式を取っています。
 戦前戦中、この記者クラブは、自治こそ禁止されたものの民衆扇動と戦争体制翼賛に大いに活躍しました。しかし、そうした戦争・民衆扇動への積極的な関与にもかかわらず、官僚機構などと共にGHQによる解体を免れて温存され、戦前の体制そのままに現在も続く組織となっています。このことと、記者クラブ所属メディア出身議員が、民主党党内でも極右派の前原派に所属しているのは無関係ではないでしょう。
 この記者クラブは、世界的には非民主主義国の象徴とされ、現在日本とガボンにしか存在しないとされています。
 ジャーナリストの勝谷誠彦氏は、この記者クラブ制度を『最大の利権談合共産主義』と述べておられますが、まさにその通りで、過去、官との癒着や外国報道機関の排除、松本サリン事件などの誤報のねつ造、官僚によるコントロールなどの様々な悪癖の見られる組織です。
 また、記者クラブ内での記事の使い回しや読み合わせなどのメディア同士による談合行為も指摘されており、これが、日本にジャーナリズムが育たない土壌になっているとも言われています。
 EUや「国境無き記者団」などは、この記者クラブこそ非貿易関税によるマスコミ産業の排他的保護主義政策であるとして、痛烈に批判をしているのが現状です。
 今回、小沢一郎事務所捜査において、事実上の書類の書き間違えによる逮捕であることが明らかになったにもかかわらず、記者クラブ加盟メディアが猛烈なバッシングを続けているのも、記者クラブへの検察リークによるコントロールが効いているからだというのがメディア関係者の間での常識となっています。
 そこで上杉氏の今回の記者会見での質問となり、それに対する小沢一郎の回答が明確な記者クラブ廃止であったところから、NHK出身の小宮山議員、日経新聞出身の近藤議員の、小沢下ろしの動きとなったことと思われます。


 世界的には、事前に書いた記事や、そのメディアの発行物、VTRなどを送って登録する、事前登録制の記者会見や報道機関出入りを行うのが99%以上となっています。
 実際、私が国内外の各種イベント取材をするときなども、この手法でやっています。
 他人の攻撃ばかりをしている日本のメディアですが、実は、日本のメディアにこそ腐敗の排除、改革、民主化は必須なのです。
 今回の騒動の裏には、そうした事情があることを加味していただいた上で、ニュースなどを見ていただけると、事情が見えてくると思います。
2009-03-27_20:08-teduka-C(0)::Politics

 読売新聞の緊急世論調査で、面白いデータが上がってきました。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090326-OYT1T01026.htm?from=navr
 読売なので、題字や文体は戦中の大本営発表のようなものなのですが、重要なのはこの記事のラストの方です。
「今回調査で「民主党代表に誰がふさわしいか」を聞いたところ、岡田克也副代表が19%でトップとなった。小沢氏は9%にとどまり、菅代表代行17%、前原誠司副代表16%、鳩山幹事長13%を下回る5番手だった。民主支持層では〈1〉小沢氏23%〈2〉菅氏21%〈3〉岡田氏19%――の順だったが、有権者全体に向けた「選挙の顔」としての小沢氏への期待はしぼんだ格好だ。」
 この数字はとても重要です。


 調査全体、つまり読売新聞ですから基本的に自民党支持者の割合が高い時には圧倒的に岡田氏が民主党代表であることを望み、民主党支持者では小沢塾長が代表であることを望んでいる、と言う形です。
 これはつまり、自民党支持者から見て最も勝ちやすい民主代表が岡田氏であると見られているということに他なりません。
 従来から、メディア各種で取り上げられた突然の岡田さん代表推挙説には奇妙なところがあったのですが、これで納得がいきました。
 今回の国策捜査を期に、自公が勝てる代表にすげ替えてやろう、ということだったんですね。


 民主党内でこれを期にクーデターを企てて自分の地位向上を、なんて考えている人は居ないとは思いますが、もし万一そんな気の迷った人が居たとしたら、この調査結果をよく見てじっくり考えてみて欲しいものです。
 実際、岡田さんで敵に有利になるかどうかはわかりません。わかりませんが、少なくとも敵はそう考えて岡田さんを推挙しているのは間違いないところです。
 岡田さんご自身は大変優れたお方ですし、非民主党支持者たちが考えるようには岡田さんが自公官僚にとって容易い相手であるとは思えません。しかし、逆に言えば、敵の支持者たちは、小沢一郎以外であれば誰でも勝てると考えているということなのではないでしょうか。
 結局、民主党は小沢一郎以外では選挙は勝てず、敵は小沢一郎が代表を続行することを最も恐れているのです。
2009-03-27_01:53-teduka-C(0)::Politics