Magamon's Log 航海日誌 | ホームページへ戻る |
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ここ2日ほど、不意の出費に悩まされています。
まずはじめに、会社のエアコンの故障。
なんとコイツは、エアコンの中にねずみが住んでいたことによる故障と判明。
コンピューター使っているとねずみがどうしても集まっちゃうのですが、うちは今、10台前後のコンピュータが常時動いているわけで。ねずみ害が今までなかった方が不思議だったのかもしれません。
エアコンは中身がかじられていて空洞になっていたので、完全交換でした。
しめて7万円なり。
個人の支払いで無く法人支払いとなったものの、とほほな出来事です。
続いて、ヨットのほうのトラブル。
冷却水を回すミキシングエルボと、排気を一旦溜めるウォーターロックの接続がいい加減で、ただ適当に繋いだだけだったことが判明。パーツ代が発生しそうな雰囲気です。
修理後、メンテがしやすいようにインスペクションハッチなども作りたいし、ティラー(梶棒)もできれば換えたいところ。
2、3万円は行っちゃうんだろうなあ。。。ヨットは個人所有なので、こっちはもちろん完全個人支払い。とほほほほ。
トドメに、携帯電話洗っちゃった。。。
脱いで適当に積んであった上着に犬がおしっこをかけ、あわてて洗ったところ、中に携帯があったのを見落としてしまいました。。。
電話機交換となり、しめて2万円なり。大ダメージです。
今月来月、アヤシイ飲みの企画がありましたが、参加できないかも。。。
でも、携帯洗濯事件は、金銭的ダメージよりも、丸1日携帯電話が通じなかったのが痛かった。多方面にご迷惑をおかけいたしました。
幸い、データは全てメモリスティックに残してあったので(メモリスティックは無事だった!)、新規交換後の復旧は30秒ほどで済みました。
ただ電話機を交換するだけなのも悔しいので、交換ついでに、自宅や会社の防犯装置から警報を送りつけるように連動させて防犯力アップです。最近の警備関連商売は、いろんなサービスやってますね。今までiモードなんてろくに使わなかったけど、こういうサービスが使えるのは結構便利かも。(もちろんmixiも携帯に対応させました(笑))
でも、これだけ出費があると、さすがに取られるものは何も無い状態なので、矛盾を感じないでもないですが(^^;
昨今、船のキャビンからの盗難が流行っていますが、こういう警報連動サービスを船でも行えれば、相当な人気になるのではないかと思うのですが、ノウハウある方やってみませんか?
特に、ビルジ(排水溜)の水位と連動させて、警備員がすっ飛んでくるようにすれば、どこのマリーナでも年に2,3件は必ずある係留中の沈没は防げますので、需要は結構あるのではないかと。。。
今日、マリーナで他の船のオーナーさんに、「なんかネットで色々書いてるんだって?」と言われてしまいました。
一瞬理解に苦しみましたが、要はこれは『修理に付け込んでごね得を狙ってるんじゃないの?』ということだと気がつきました。
他にも、ネット上でお世話になっている老船乗り氏から、私がごね得に成功したと思い込んだお叱りの言葉もいただきました。
恐らく、私がマリーナで楽しそうにしているところから彼らが勘違いをしたのだと思います。
しかし、そうではないのです。
後日全てが終わったときにでものんびりと事情を説明するつもりですが、実際のところ、私は多額の持ち出しこそあれ、何も得はしていません。
今度は反対に、私が色々相談に乗ったため、金銭関係のやり取りの事情に詳しいヨットの先輩や仲間たちからは、「気弱になるな」とか「いざとなれば告訴を手伝うからやる気を出せ」といった声も聞こえてきます。
聞けば、どうも私がごね得を取る気が無いと気がついて、励ましに来ているようなのです。
しかし、これもまた私の実情とは違います。
私はごね得を取る気も無いですが、かといって泣き寝入りする気もまったく無いのです。
結局こうした反応は、ヨットの世界で私のような隠れた傷のトラブルが発覚した場合、今までは「ごね得」か「泣き寝入り」かの二つに一つしか選択がなかったということの現われだと思います。
これは、「欠陥艇のババ抜き」現象の結果といえます。
「欠陥艇のババ抜き」とは私の造語ですが、要は船底価格の低下を恐れたオーナーが船の欠陥を黙ったまま次のオーナーに売り渡し、次のオーナーも欠陥に気づき次第同様に何も知らない別のオーナーに売り払い、という、ヨット・ボートの世界に特有の現象のことです。
あえて言うのならば、ごね得が得たいのでも泣き寝入りしたいのでもなく、私はこの現象を食い止めたいのです。
実際、ヨットやボートの修理は、『オーナー希望により極秘裏に修理』ということが、あまりに多いのです。
私は仕事柄、平日にマリーナに行くことが多かったのですが、平日はどこのマリーナでも船舶を修理している姿が目立ちます。
そうした船の大半は平日のうちに修理を済ませ、土日にはそ知らぬ顔で元のバースに戻っているのですが、オーナーさんや修理の方に聞いても、修理については一切誤魔化されてしまうことがあまりに多いのです。
いや、実のところ、極秘にでも修理を行えばまだましな方で、実際には私が買ったばかりのうちの船の状態のように、ただごまかしに塗料を塗ったくられただけで、一切の修理無しに済ませられてしまうことがあまりに多いのです。
これは、修理履歴による値下がりを恐れての行動に他なりません。
なんともセコイとしか言いようもありませんが、傷が無かったことにして次の人に売りつけることで、自分だけは損害から逃れようという心理の現われなのです。
もちろん、こんなとんでもない行為は、中古車であれば決して許されないことです。
しかし、ヨットの世界ではこんなとんでもない行為まかり通っていたのです。
私はこの悪しき伝統に反し、ヨットの傷は公開すべき情報だと判断します。
だから、こうして自分の日記というちっぽけな場ですが、きちんと公開したいのです。
ただ、それだけのことなのです。
私は、直せば直る傷であれば、まったく問題ないと考えています。FRPはその特性上、貫通や強度に関わる大規模剥離さえなければまったく問題なく修復できるのですから。
むしろ、きちんとした修理暦のある船は安心だと考えます。何しろ、普通5年も乗ってればどこか壊れるものですし、10年もたてば確実に大規模な故障が出るはずなのです。それがわからない船よりも、どこがどう壊れたのか判っている船の方がはるかに安心なのです。
だからといって、売り手の業者に責任が無いということは認めません。売主である以上、その商品に対しては、きちんと責任は取るべきです。
ただ、その責任範囲はあくまでも当初謳った額面と販売した金額の相場どおりに抑制するべきであり、それ以上は要求すべきでは無いと強く考えているのです。
今回はその点、非常に理想的な展開であったと思っているのです。それが私が嬉しそうに見える理由です。
傷があったこと自体は、私個人にとっては大変不幸な出来事でした。妻と二人、数日間は涙に暮れる日を過ごしました。
しかしその後、売り手側と買い手側の両者の合意によって、欠陥艇のババ抜きに終止符が打たれ、その艇にきちんとした修理が行われ性能を充分以上に回復しつつあることは、ヨットの世界にとっては非常に佳い出来事であったのではないでしょうか?
また、船自身についても、元々構造的には問題なかったことも判明し、さらに充分な修復を終えたということできちんとした査定が可能となったことは、大変価値のあることだと考えています。
また、私の船は、本来であればオズモシスブリスター(プラスティックを侵食する水ぶくれ)に悩まされるはずの18年という船齢なのですが、修理の過程で徹底的なサンディングを行なわれ、その際に全てのオズモシスブリスターの種を潰した後で充分に日干しし、さらにエポキシ樹脂処理を行うことによって、そうした悩みから解放されたのです。これは大変喜ばしいことである。そう考えているのです。
もちろん、オズモシスブリスターの種があった原因は、隠されていた傷です。しかし、それは直ったのです。もし、仮に今後直りきっていない部分が出たとしても、今回の傷が明確になった以上、原因は明白で、当然修理方法も明確です。
私は、これについて、自分の船に付加価値がついたと考えているのです。もちろんその前に、隠されていた大きな傷という、舟艇価値の大幅な下落はありました。結果としては、プラスマイナスでゼロか、やや損くらいなのではないのでしょうか?
何よりも、ババ抜きを食い止められたことが嬉しいのです。
船を愛する者として、ハズレとされた船が何も修理されないまま次から次へと転売され続けるのは、苦痛以外の何ものでも無いですから。
もちろん、これは、たまたま船の生存に即関わるような、致命的に重要な傷でなかった事が幸いしています。
もし、そうした傷であったとしたら、船の傷をさて置いても返品を要求し、認められなければ裁判という事態もやむをえなかったでしょう。
ただ……私は思うのですが、そうした事態であっても、私は返品に不利になることを知った上で、あえて傷について公開をしたと思います。
やはり、そうした傷を隠したまま私の目の前を通過させることは、絶対に許すことができない。そう考えるのです。
致命的な傷を隠した船が、誰か見知らぬ他人を傷つける危険性に、私は耐えられないのです。
我ながら不器用だとは思います。
ですが、それが、私がヨットに対する時の、せめてもの勇気であり、誠意であると、そう思えるのです。
私は、一人でも多く、ちょっとの勇気を出して自艇の傷をきちんと申告し、修理するオーナーが増える事を強く願っています。
また、そうしたきちんとした管理をされた船に対する理解が、業者さんの間に広がることも強く願っています。
そうすれば、見知らぬ人間に命の危機すらも転嫁してしまう今の危険な中古艇売買の慣習に、きっと終止符が打たれる事でしょう。
先日の某牛肉飲み会でも仲間内にすら誤解があったので、私はあえて声を大にして言いたい!
私は貧乏です!(えへん!)
少なくとも金持ちじゃないぞ!!
職業がCG絵描きでヨットを持っているというと、妙に金持ち風に見られるけど、そんなわけは無い!
全身これユニクロとタカQ、身に着けている中で一番高いものはティンバーランドの靴という状態です。
大体、クオリティを常に要求よりもワンランク上げるなどという職人気質なことを、ただでさえ安いアニメ絵や映画の世界でやっていて、そんなに儲かるはずも無い!
株(資本)は持ってるけど、ほとんど自社株、しかも有限会社! 第三者に売りようもありません。
しかもここ一年くらいは家庭の事情で徹夜ができず、仕事量をセーブしなければいけない状態。そんなんで儲かるはずも無い!!
会社としては今期は黒字見込みだけど、それは当然働いた社員のボーナスや新人育成資金として消えるわけで。
学校の講師も2,3校やってはいるけど、目当てはうちの会社に新人を入れることだから、どこも基本的に資料や授業準備で講師料は消えちゃうし。
会社の会計や税金だって堅物の(失礼!)税理士さんに全部任せているからごまかしようも無く。
学校も大学院まで入ったけれども所詮は中退。特にコネがあるわけもなく。
親はしがないサラリーマンで、財産なんてあるはずも無く。
そもそも自分自身お金にこだわらない性格のためか、貯金もほとんど無い有様><
ヨットは、単なる趣味でございますので。
そりゃ、根がオタクだから趣味には必要以上にコストをかけちゃうけど、単にそれだけのことです。
そこんとこ誤解なきよう、くれぐれも。。。
というか、これで30フィートのモータークルーザーをハイオクガソリン撒き散らしながら毎週末時速100キロ以上で飛ばしていますっていうのなら相当な財力が必要ですけどね(^^;
ヨットは所詮、風の力(つまりはタダ)を使ってチャリンコ速度で動く乗り物ですよ(^^;
コストもそれなりですから(^^;
何度もいいますが、同じ乗り物趣味なら、スポーツカーのほうが絶対にお金かかります。
実際、ヨットに乗ってらっしゃる皆さんは、清貧を心がけている方が多いです。
もちろんすごい金持ちの方も中には居ますが、皆さん基本的にはなるべく安くを心がけています。
艇置料も、前の船(まがもん、31フィート)みたいにでっかいとなかなかの金額ですが、今回のかるがもんサイズなら、都内の駐車場代よりも安いくらいです。
本当は、金額的にはすごく身近なスポーツなんですよ、ヨットって。
私には、何でみんなヨットに乗らないのか、不思議でたまりません。
ヨット乗りを金持ちだと誤解するという話はヨット関係の集まりでもよく話題になるのですが、ヨット乗りでない皆さん方、ヨットを高額なスポーツだと思い込んでいませんか?
い〜ぬは喜び庭駆け回り♪
というわけで、ここのところの大雪に、うちのジンははしゃぎまくりです。
ライブドアの騒動や姉歯元建築士のマンション偽装事件でもわかるとおり、昨今情報公開と、法令順守が問題になっています。
実はこれは企業の経営者にとっては、大変難しい問題なのです。
役員は自分の資本で動いているので、まあ、ほとんどの場合問題ありません。自ら自分の資産の価値を減らす危険性のある行為をしたがる奴は少ないですので(そう考えると、堀江さんは稀有な例かもしれません。実はうちの初代役員にも似たようなのが一人居ましたが(^^;)。
問題なのは従業員や外注の方に、いかにその辺をわかってもらえるか、なのです。
高い資本対利益比率を保つには、役員だけでなく、スタッフ一人一人の日々のたゆまぬ努力が必要なのですが、この努力を維持できない人間がどうしても混じってくるんです。
普通の人間は努力をして成果を出すのがなによりの快感なものですが、努力自体が大嫌いな人間というのが、存在するのですよね。
そういう人間は、ある程度周囲に認められると、その時点で手を抜くんです。
もちろん会社側では手抜きをされては困るので、成果・結果を厳しく監視します。すると、楽をして結果を出すことを端的に考える人間は、なんと恐ろしいことに、いともあっさりと良識や法律すらも破るのです。
姉歯元建築士の件は、まさにこのパターンですよね。(もちろん、ヒューザー側にも、工程監視があまりにも甘かったという問題点があります。相手に嫌われても憎まれても、常時監視を厳しくしないとまずいんですよね、あの手の人間を使う場合には)
こちらの世界はマンションとは異なり、幸い命にはかかわらない世界ですが、それでも、他人の著作物を平気でパクって来て、自分のものだと言い張るケースも(この業界では比較的多数)あります。こういうのに会社として気付けないと、手痛い目にあいます。
酷いのになると、アンケート類の偽装を行うケースも耳にします。雑誌の記事の評価は多くをアンケートに頼っているのは周知のことですが、雑誌のアンケートは実は回収率が著しく低いので、宗教団体などの力を借りれば、いとも簡単に操作ができてしまうのですよね。雑誌に「よくもこんな酷いものが載ってるな」というのがありますが、大体その手の記事・作品は宗教団体の構成員の作品であったりするわけなのです。
しかし、そういうパクリや操作をしたところで、表面上の売り上げが伸びるだけで実際の人気が変わるわけではありません。すると当然、やがては雑誌全体の売り上げ低下につながり、著者も出版社もスポンサーも、そして読者もだれも得をしない状況が生まれます。
そして何より、作り手自身が楽しくないのですよね、こういう偽装で仕事をしていると。姉歯元建築士も「金回りはいいのに常につまらなそうだった」「庭が荒れ果てていた」と言われていますが、きっと仕事がつまらなくなっていたのでしょう。
愚直と呼ばれるかもしれませんが、やはり、私個人的には、馬鹿正直に「要求クオリティの120%」のモノを収め続けることが、楽しい商売、楽しい人生への近道ではないのかな、と思うわけです。120%のものを収めるからには、他所よりもちょっとくらい高めに価格を設定してもいいわけですしね!
もちろん、時間対売り上げで言ったら、100%にちょっと欠ける程度のものを納めるのが一番効率が良く、120%のクオリティを出すことは、商売上は一見損に見えます。
でも、思う存分仕事をして、お金も高めにもらえ、しかもお客さんにはべた褒めにされるわけです。これは快感です。
せっかく一度きりの人生に仕事をするのだから、そうした仕事こそ、本当に得なんだと思うんですけどね。
考えてみれば、うちの船の問題も、この問題ですね。
どこかでセコイことを考えた奴が居て、そこで船底の傷という重要な情報が止まってしまったわけです。
もし、気がつかなければ、沖で海が荒れたときに波で船底が剥離し、そこから一気に亀裂が走って沈没、という可能性もありました。
もしもそういう事態になれば原因究明が行われ、原因が明らかになれば、そいつらは非常に重たい社会的責任を負わされるところだったでしょう。(実際、過去の例では、グアムレース時のキール脱落事故で、修理を行った造船メーカーさんや、傷を承知で船を送り出した学校さんは、数年間に及ぶ相当な経営的ダメージを受けたと聞きます)
本当に、誰も得をしないのに、ただ目先のサボりがしたいためだけに、そういうことをしでかす奴というのは、後を絶たないのです。
私は実は、こういうセコイ誰も得をしない話は本当に苦手で、今回の船の件のようなことがあると、非常にがっくりと落ち込みます。
ただ、救われているのが、修理に入っていただいた業者さんが、私と同じ「120%理論」の支持者で、非常に気持ちよく修理をしてもらえていることです。
ちょっとは高くつくのでしょうけれども、その分は自分の手元に結果として残るのですから、大変納得できますよね。
企業や商売である以上、ユーザーのためにも徹底的な合理主義は行う責務がありますが、拝金主義、即物主義は、何よりそういう主義の本人自身のためにならないのです。
あくまでも、ユーザーに利益をもたらすことが、企業・商売上の利益につながるのです。
でも、なかなかその違いを判ってもらうのは難しいところなのですけれども。
いよいよヨットの業者さんによる修理が開始されました。
いったん外回りを終え、再進水するのが来週頭頃の予定で、そこから船内の工事に入ります。
それまでには散らかった船内を片付けないといけません。
修理は朝一番から始まりました。
サンダーで、がんがん削り取って行きます!
それにしてもさすがはプロツール、私が何日も苦労した固いFRPが、見る間に削れて行きます!
ちなみに船の傷ですが、思ったよりも症状は軽く、修理で完全に直る範囲内でした。
私の船のように長期間水面下の傷が放置されたケースでは、浸透圧(オズモシス)による剥離がこわいのですが、幸いまだ初期のものでした。
実際に工事が始まるまでは傷がどんなものかわからないため予断を許しませんでしたが、とりあえずこれで一安心です。
この写真が、健康な側の船体です。
傷口を再積層して強化をする都合上、こちら側も軽く削り出しをしてあります。
ゲルコートの上側の層がフジツボに侵食され、ぶつぶつになっていますが、Flickaはゲルコートが2層あるため、下側の層で遮断され、下のFRP層には影響が出ていないことが判ります。
気になる水分も、傷に近い位置にもかかわらず、まったく回っていません。
FRP本体は飴色の、べっ甲のような美しさです。
燦然と輝くかるがもんシールも、我ながらそれなりの出来です。
次いで、傷だらけだった左舷側。
白い斑点状の部分が剥離です。
大きく傷の部分を削り始めたところですが、幸い、表面2,3層だけでFRPの剥離がとまっていることがわかります。これだったら、船体強度にはほとんど影響はありません。乾燥も順調に進んでいたようです。
4層程度ポリエステルでFRPを積層したあと、水に強いエポキシパテで凹凸を埋め、その後、船体全体をサンディングして健康なゲルコートを出し、その上にエポキシ樹脂で処理をする予定です。
この処理を行えば、向こう5年は確実にオズモシスブリスターなどのトラブルはなくなるでしょう。
傷の部分の拡大です。
白い斑点がありますが、これが表面だけに留まっていることが判ります。
残念ながら、傷口にオズモシスブリスターの初期状態のものが見つかったことから考えると、この船はビニルエステル製ではない感じですね。
それにしても、ポリエステルでありながら、これだけ繊維層への浸水に耐えたというのは立派なものです。
今後は表面をエポキシ処理してしまいますので、船体構造内部への浸水の危険性はほぼゼロになるでしょう。
次にエポキシ処理をするのは5年後くらいでしょうか?
そのころにはこの船も船齢23年。
そろそろ船体寿命を考える時期のはずですが、今回の工事の結果、まだまだ現役のはずです。
船齢30年を目指して、長く乗ってあげたい船です。
ちなみに、今回の工事が終わっても、工事に入って下さった業者さんがしばらく面倒を見てくださるそうで、夏ごろに一度船底の修理の具合をチェックしましょう、というお話になっています。もちろんチェックはサービスとの事。
ありがたいお話です。
とりあえず、この週末で船名シールを貼りました。
船名一つで、見違えるような状態になりますね。写真は後日アップします。乞う御期待。
電気周りも見直しを行い、細々と施工開始。
でも、風邪を治すほうが優先で、余り作業は進まず。。。
現状の問題点など。
・ハル外側の傷(業者修理予定)
・ハル内側の傷及びバルクヘッドの剥離(業者修理予定)
・船底エポキシ防水処理(業者作業予定)
・船底塗装(業者作業予定)
・ハル内側の再チェック(メンテハッチを必要とするか?)
・スタンチューブの固着のチェック
・スルハル一式のチェック
・ジンクの交換
・バウスプリットのチェック
・船首電気コード穴のコーキング
・エンジンオイル交換
・エンジンミッションオイル交換
・エンジンジンク交換
・マストトップライト玉切れ
・マストトップ風見老朽化
・オートパイロットST1000設置
・サブバッテリーチャージャー本設置
・バッテリーチャージャー本設置
・木部ニスはがしとオイル仕上げ
(ティラー周りだけはニス仕上げ)
・キャビン時計気圧計取り付け
・デッキジャックライン設置
・デッキ、ジブファーラー用カムブロック設置
・メインセイル艤装
・ジブセイル艤装
上記リストを近日中に消化予定。
先は長いなあ。。。
本日売主の業者さんがいらっしゃって、とりあえず船の傷を先方で修理してくださることで決着しそうな流れになりました。
来て頂いて、傷を見てもらった瞬間に、お詫びの言葉とともに修理決定です。
備品の消失などなど、いろいろトラブルが続いた船でしたので、傷に付いて大げさに言っていると思われたのかもしれませんね。
船の傷の程度的には、船底部分に多少のFRPの剥離が見られるため、業者修理を行わなければいけないレベルのようです。
ただし、再積層と修理で強度が戻る上、元々えらく分厚いFRPなので、今後の運用にはまったく問題ないそうです。傷の分の厚みを引いたとしても、以前の船(Yamaha31EX)の倍近い厚みがあるのだそうで、実際にハル(船体)の断層モデルを見せてくださいました。
確かに、分厚い!
今回の傷も、以前の船ならば沈没しておつりがきそうですが、こんどのFlickaにとっては、軽傷といえるレベルのようです。
とりあえず、助かりました。
ちなみに、妻がわあわあと騒ぎ立てたので、クレーン付近の人たちが集まってきてしまいました。
お恥ずかしい(^^;
船の傷のショックが頭の怪我に障ること心配して今まで船を見させなかったのが、裏目に出ました(^^;
今日、船底水洗後、初めて妻を連れてヨットに行ったところ、妻はその場で泣き崩れてしまいました。。。
事前に写真も見せて、状況も話していたのですが、余りの傷のひどさに、衝撃を受けたようです。
目を赤くして絶句する妻の横で、傷の説明を淡々としながら「船底の外側の傷は自分で直すつもりだ」と言った瞬間のことです。
妻は「こんなひどい傷、素人に直せるはず無いでしょ!?」と、マリーナ付属の工場に猛ダッシュ! そのままその場にいた工場の人を捕まえてきてしまいました。
かくして、呆然と買ってきたばかりの工具を手にする私を尻目に、修理の専門工場によるお見積もりと相成りました。。。
ちなみに、幸いにしてFRPに水は回っていない様子で、船殻強度自体には問題は無いのでは、ということでした。ただし、中のバルクヘッドが外れているので、そこはやっぱり要修理。狭い空間で気泡をいれずに積層するのはさすがに素人の手には負えないので、ここも専門工場の手による修理が必要となります。(余談ですが、「前の31EXだったら確実に船体に穴が開いてるね」とのこと(苦笑))
この船が無事故艇として無修理のまま売られていたというと、皆さん一様に顔をしかめます。修理費用も相当にかさみそうですが、皆さん「こんな傷が隠れてたんなら事前に知らせるのが当然だし、事前に知らせなかったのだったら売主が払うのが当たり前」とおっしゃいます。その場には、やはりこの船の問い合わせを同じ業者にした方も居たのですが、やはり「僕も問い合わせたけど、こんな傷の話は聞かされていないよ」とのこと。私だけに傷の話をたまたま伝えなかったのではなく、皆に伝えなかったようです。
ちなみに、修理さえすれば、まったく問題なく乗れるようです。これにはほっと一安心。
傷の程度的には、「素人の補修は困難だが、プロなら確実に大丈夫。補修をしないでこのまま乗るのは問題があるが、補修さえすれば傷が無いのとほとんど変わらない」というレベル。
傷の見た目のひどさがありますが、さすがFlicka。これでも廃船にならないとは、相当に頑丈です。
他のFlickaのオーナーさんがハルをなでながら、「この子は大変な目にあってきたんだねえ」としみじみ仰いましたが、まさに同感です。
ちゃんと直せるとわかった以上、一刻も早く直して、乗ってあげたいものです。
昨日本日と二日間、いろいろな方に船内外を見ていただき、傷のサンディングなどを進めるうち、状況が見えてきました。
結論から言えば、まだ、素人による修理をあきらめてはいない、というところです。
まず、外の傷ですが、現在わかる範囲で水面下に大きく3箇所。
前から順にそれぞれ、50cm×20cm、150cm×30cm、90cm×100cmほどの大きさにFRPのガラス繊維が見えています。
サンディングをしてみたところ、剥離は一層ほどで、その下に水が回っているかどうかはわかりませんが、少なくともそれ以上に剥離は広がっていませんでした。
これにより、何とか、素人でも作業ができそうな範囲だと判明し、本日午後から修復作業を再開しました。
先方が来る来ないともったいぶっている間、作業を止めていたこともあり、すでに傷を開放した状態で4日ほど経過しており、だいぶ乾燥は進んでいると思われます。
オズモシスブリスターと異なり、圧力がかからなかった分、水の侵入は控えめに感じられます。
エポキシ処理は9日夜に行う予定ですので、それまでには、相当乾燥を進められると思います。十分な水洗いの後、丸6日間の乾燥ですので、今後のオズモシスブリスター発生の危険性は相当低くなると思います。
エポキシ処理は、システムスリーの冬型を浸透後、ミルドグラスファイバー入りのシステムスリーパテで強度を出した上で平坦化、サンディングの後、船全体にシステムスリーエポキシ処理。その後、インタープロテクトを2層がけの予定です。
水面より上の部分に付いては、ハルの再塗装の際にポリパテ等で補修されており、様子はわかりません。
Flickaは容易には内部からハルが見えない構造なので、確認には時間がかかりそうです。
気になる船内の傷ですが、メンテナンスハッチをバウ床下ロッカー内に空けることで、素人でも作業ができるのではないかという可能性があります。
現在目視できる限り、バルクヘッドが2枚剥離して外れかけていますが、これはともに、このハッチを作ることで補修可能だと思われます。
船内側の補修に付いては、一旦水面に下ろした後で考えようと思います。
ただし、浸水が怖いので、メンテナンスハッチだけは、上架中(エポキシ硬化時間)に開けるつもりです。
業者に頼んだほうが領収書が明確になり、裁判的には楽なのは存じているのですが、やはり、どうしてもできる限り自分の手で直してやりたいのです。
船ですが、インハル(船を内側から支える構造材)が、ハル(船体)から剥離していることがわかりました。
白い絵の具のようなもので覆われていたのでわからなかったのですが、ハルの外側が船底塗装で誤魔化されていたことを怪しんでざっと雑巾で拭いてみたところ、昨日の写真のクラックが出てきた次第です。
傷の部分の大半はインハルで覆われており、現在はまだインハルを切り開いてみたわけではないので良くわかりませんが、ポート(左舷)前より全体が半周ぐるっとはずれているのは間違いなさそうです。
マリーナ内を機走するだけでも、なにやらごつんごつんと変な音がしていたのですが、それはどうも、この構造材が外れた場所が波や振動ででぶつかり合って立てていた音のようです。
マリーナのプロの方々に見せても、皆さん口をそろえてこの船は要再積層で、決してこのままでは乗ってはいけないとのこと。
再積層のためには、一度インハルを切り開いて工事をする必要があり、さすがに素人の手を超えます。また、マリーナの方々が心配しているのですが、船底部分の傷が意外に深く、そこから水が回って船体全体に剥離が進む可能性もあるそうです。これを防ぐためには、一度数ヶ月〜半年ほど陸揚げしてしっかりと船体深く浸透した水を乾燥させてから、再度エポキシ処理をする必要があるそうです。
ただ、今のマリーナでは、陸揚げ1日当たり5千円以上もの大金がかかる上、再積層の温度管理をしながら、切開後のインハルをそれとわからないように修復するのは、何の設備も無い素人には不可能です。
それにそもそも、「すぐ外洋に出れる」という話で買った船を、半年間も船に乗れないのでは、あまりに辛すぎます。
日本中を探して手に入れた大好きな船ですので、できる限り自分で直して乗るつもりでしたが、残念ながら、素人の手を超えてしまった感があります。
明日明後日とできる限り整備をした上で、月曜日に、売主のランドフォールマリンさんに船を見せます。
新しい家族が増えたような喜びがあっただけに、家中、光の消えたような暗さです。
それにしても、試乗をさせてもらえず、購入決定後に時計・温度計・船検備品などの装備が盗まれ、挙句の果てに、船底塗装や絵の具で事故を隠していたとは。。。
ヒューザー・姉歯の偽装事件を、他人事と思えなくなりました。
今日は大工事2日目。
とりあえず午前中会社に行って仕事始めの儀式のあと、マリーナに直行。
石井師匠に指示を貰いながら、工事開始です。
会社のみんな、ゴメンネ。。。でも、こんな傷を放置したら、船が大変なことになっちゃうので。。。
まずは写真第1弾。
写真1が、左側船首の様子。
船底塗装をはがしたら、見事に傷だらけ。
下側の青いのはゲルコートの下にあるはずの色付き層で、さらにその下のFRPのガラス繊維がもろに見えています。
水を吸ってばさばさの部分もあったので、いびつな形になっています。
写真2が、マストのあたりの左側船腹の様子。
非常に広い範囲でFRP繊維がむき出しになっています。
写真3が、写真2のスケール比較です。
私の腕と比べると、とてつもなく大きい傷だというのがわかるかと思います。
すぐに沈みはしませんが、まあ、放って置いていい傷でもないですね。
さらに、今度は船内からの写真。
写真4が、写真2の位置の、船内からの写真。
見事に割れてます。
写真5は、船内の光を消したところ。
薄くなった部分から、外の光が強く透けて見えます。。。
ちなみにこのことをランドフォールマリンさんに行ったところ、東京に来てもらえる事になりました。不意のトラブルにも逃げも隠れもせず、誠心誠意を尽くそうとしてくださるあたり、さすがパシフィックシークラフト代理店ですね。
ただ、予定が合わず、こちらに来るのは連休明けになるかもとのこと。それまで工事をとめていては、上架料がいくらあっても足りないので、困っています。
そもそも、私の休みはこの連休を除けばお盆までは恐らく無いわけで。。。
Flickaですが、本日、クレーン上げをして、船底を洗ってみたところ、なぜか船底塗料がぽろぽろと取れて行きました。
見れば、ポートサイドの船底が見事にずたずたで、ゲルコートも無ければガラス繊維がむき出しの傷だらけという状態で。。。
即沈むというわけでもなさそうですが、明日から、サンディングとエポキシ加工の日々が続きそうです。。。
とりあえず、ブリスターなどは出ていない様子ですので、サンディングをした後でエポキシ系樹脂で処理の後、インタープロテクトでカバーをして、その後船底塗装をしようと思っています。
船検備品は盗むし、時計や気圧計は外しちゃうし、前のオーナーは、ろくなオーナーじゃなかったようですね。
とりあえず、ショップに文句をつけました。
とほほほほほほ。
本日は、今年初めてマリーナへ行きました。
とは言っても、台風並みのとんでもない嵐の後です。出航できるはずもなく、マリーナライフをちょびっとだけ楽しむことに。
こちらのマリーナでのんびりするのは、ずいぶん久しぶりです。
三が日の間は、マリーナがお雑煮とお汁粉を御馳走してくれるとの事。マリーナハウスの二階でマリーナ主任さんを交え、おいしく頂きました。
聞けば、主任さんも妻と同じくマリーナ近辺の出身との事。
だから、二人に言わせると、水の汚さは気にならないどころか「昔に比べればずいぶんと綺麗になった」そうです。
一昨年、マリーナの水の汚さに吐きに吐いた埼玉出身の私には、想像もできない話です。
ちなみに水の汚れが今よりも酷かった時代、このマリーナの近くに捨てられていたことのある最大のゴミは、なんと「第五福竜丸」(^^;
今は近所の夢の島マリーナの近くの陸に上げてありますが、主任さんが子供のころは近所でも有名な幽霊船で、子供たちの肝試しの場所だったそうです。
水爆船とは本物過ぎますよね。
と、言うわけでお茶の福袋。
今年はアランチャンティールーム「茶語」です!!
なんと1000円。超格安です。
気になる中身は……
スゴイ!
値段もさることながら、海馬宮茶って何だ?(笑)
妻が一昨年に傷めた脳の箇所も海馬というのですが、そう考えるとなんだか運命的な名前のお茶ですね。
昔のレピシェの福袋も、こういう驚きがありましたよね。
新年といえば福袋。
毎年この時期は福袋が楽しみです。
特に紅茶専門店レピシェさんの福袋は、価格の3〜5倍量とゴージャスで、しかも普段買わないとんでもないお茶まで混入していて非常に楽しかったのですが……
去年ルピシアと店名を変えて新装開店した関係で、福袋が2倍量程度の(つまり普通の)、量も標準的なものに変わってしまっているようなのです。(実際去年は会社用に買ったところ量が足りず、2箱買うはめになり、なかなか悲しい思いをしました。一昨年までは、松を一箱買えば10ヶ月は持ったものなのに。。。)
去年の経験から、今年は買いに行くべきか、真剣に悩んでいます。
福袋を買っても、どうせちょくちょく買い足しに行っちゃうわけですし。。。
明けましておめでとうございます。
昨年は皆様のおかげをもちまして、公私共に大変充実した一年を過ごすことができました。長年信頼した後輩に裏切られ、妻も生死の境をさまよう羽目になった地獄のような一昨年とは正反対の、大変素晴らしい年を過ごすことができました。
今年は、昨年の幸せを少しでも皆様にお返しし、また、私自身も更なる充実を得るべく、粉骨砕身の努力を惜しまない心積もりです。
とはいえ、当方まだまだ未熟者ゆえ、皆様にはさまざまなご迷惑、お世話をおかけすることと存じます。なにとぞ本年もまた、昨年同様、よろしくお願いいたします。
2006年 元旦
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