Magamon's Log 航海日誌 | ホームページへ戻る |
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実は先週頭から風邪引いて寝込んでおります。
今まで日記を書けなかったのは、大事を取ったのと、はしかだったらやばいなあという思いがあったためですが、まあ大丈夫そうです。
相変わらず、肺に入っちゃうと長引くので、今回も今週で決着がつくとは思えませんが、ようやく仕事は問題なく出来そうになったので、気楽に行こうかと思っています。
ちなみにうちの”かるがもん”は、この時代の基本設計の船です。
ティークリッパーの船形などの影響を受けた、ロブスター漁用のボートが元になっています。
その船形をビンガムが再発見し、1970年代に再設計されたのが、Flicka級なんです。
今でこそ鈍足で知られるFlicka級ですが、一応、当時の快速外洋艇なんですよね。
カティサーク号が炎上した、というニュースが入ってきました。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070521i512.htm
これは、ヨット乗りとしては大変衝撃的なニュースです。
好きな船形の船なのですが……
5割消失ということですが、再建が出来ることを祈っています。
私の愛艇でもあるFlickaのメーカーとして知られる米国PSC(Pacific Seacraft)社が倒産し、会社再生処理(chapter11)を適用されるというニュースが入ってきました。
それに伴い、Flickaファンの間で、せめてFlickaだけでもラインを買い取って製造販売を出来ないものかという動きが出つつあるようです。ただし、米国ではchapter11の適用はよくある手法であるという航空製造関係者からの突っ込みもあり、それによると、決して完全な倒産=解散を指すものではなく、単なる債権整理のための一般的なツールということで、一部製品ラインだけの買い取りというのは考えにくいという突っ込みもニューズグループでは入っています。
Saga Yachtに買収された直後のこの事件だけに、私も、固唾を飲んで状況を見守っているところです。
今年の”かるがもん”船底メンテナンス日記です。
5/3
オードリー号ご夫妻にお手伝いいただき、船底メンテ開始!
ところが……
なんと、船底塗装がべろっとはげちゃうくらいの大量のブリスター(水ぶくれ)がポートサイド(左舷)に!
幸い、スターボードサイド(右舷)はほとんど無事。
とりあえず、マリーナの水圧銃で、弱っている塗装を全て吹き飛ばします。
すると……出てきたでてきた!
見事なボツボツ。これは、オブモシスブリスターの初期状態です。
オブモシスブリスターとは、ポリエステルレジンが浸透膜現象で海水をくみ上げてしまう現象で、FRPを劣化させる一番の原因なのです。
実はこの箇所は、この船を買ったときに船底塗装の下で損傷していて、業者修理をした場所。
その時に、エポキシ樹脂ではなく、ポリエステル樹脂での補修となったのがこの船の状況には合わなかったようで、工事した部分だけが犯されていました。
幸い、FRP本体にまでは達しておらず、表面のポリエステルだけで済んでいたのが不幸中の幸いです。
急なトラブル発覚で今回は時間が取れないため、症状を悪化させないよう、異常箇所のみ削り飛ばして、本格修理は来春に行うこととします。
とりあえずこの日は、オードリー号ご夫妻に手伝っていただいて、無事な部分の船底をサンディング(サンダーという電気ヤスリをかける作業。これが重労働!)で一剥ぎして貰いました。
ご夫妻には、大感謝です。
夜は、木曽路でしゃぶしゃぶ!
いやあ、肉体労働のあとの牛肉は旨い!
5/4
で、翌日。
施工を行った業者さんと相談し、来春に本格修理をすることを確認。
なぜかというと、今回のブリスタートラブルが、船体のFRPからしみ出た水によるものなのか、それともオズモシス現象で外部の海水を吸ったものなのかが、現状では判別付かないためです。
中の水がしみ出したものであれば、むしろ治っている過程であるわけでめでたいくらいですが、オズモシス現象であれば、相手は無限の海水ですから、やがては重篤なトラブルにもつながりかねないわけで。
業者さんには、とりあえずの補修用にと、”インタープロテクト”という防水処理剤を頂きました。いや、ご自身で売った船でもないというのに、無責任な業者も多い中、素晴らしいアフターサービスに、感謝感謝。
で、早速補修開始。
とりあえず、特に酷いところを削り飛ばし、そうでもないところは敢えて残す形を選択。
これで、来年の春に様子をもう一度見て、状況を判断しようと考えたわけです。
とりあえず、削り終わった場所に、”システムスリーエポキシ”を投入。
これは、水気があってもくっつく新しいタイプの船舶FRP用エポキシ塗料で、防水処理にもっとも向いている素材。
ただし、扱いが難しく、大量に集まるとすぐにヒートアップ(過剰反応)してしまい、煙を噴き上げるのが難点。
まあ、久々に使った私の奥技なので、練習がてらゆっくりと施工を行った次第です。
5/4
毎日のサンディングで腕が上がらなくなってきましたが、まだまだ作業は続きます。
とりあえず、昨日のエポキシの部分を再びサンディングして、平滑面を作る。そしてまたエポキシ処理。
これを繰り返すことで削って崩れた船形を綺麗に戻すわけですが、今回は来春までの仮処理ですので、エポキシ&サンディングは、2回のみで終了。
特にへこんだ場所には、”シリカシックナー”を投入したエポパテを作って盛りつけますが、これがあっさり過熱しやがって、うっかり気付かなければ、危うく船を燃やすところでした。危ない危ない。
季節を考えて、春&冬用の高速硬化タイプの硬化剤を用意したのが、ここのところの天気の良さで裏目に出たようです。
今日はなんと、夏日です。
5/5
明日は大嵐確定なので、今日は防水処理まで一気に仕上げることに。
事実上、連休最後の作業日です。
エポパテ部分にサンディングを行い、業者さんにいただいた”インタープロテクト”を第一回目の施工。
明日の雨でしけった表面を削り飛ばすことを想定し、厚塗りです!
5/6
予想通りの大雨。
船から解放され、自宅で仕事に打ち込む一日。
晴耕雨読な感じで、なかなかでした。
5/7
ゴールデンウィークあけ初日。
とりあえず、午前中は専門学校に教えに行き、午後からマリーナにて、”インタープロテクト”サンディング&第2回塗装。
時間がないので、一気に仕上げましたが、まあ、そこそこの出来。。。かな?
5/8
この日は、丸一日仕事の日。
さすがに溜まりに溜まった仕事があったため、そちらを優先しました。
5/9
この日は、仕事を夕方からにして、朝からマリーナに。
まずは、7日にやった”インタープロテクト”を削りだし、最終的な平滑面を得る。うーんちょっといびつだけど、まあ仮だし、こんなもんでしょう。
で、その上から、”シージェットプライマー”で塗装。
プライマーとは、このあと塗装する”船底塗装”をくっつけるためのつなぎ役のようなペンキ。
そもそも”船底塗装”は、自己融解型の防汚塗装という性質上、ありとあらゆるモノにくっつかない性質を持っているのです。(そりゃ、くっつかないからこそフジツボや貝類から綺麗になるのだから、当たり前ですよね)
そのため、このプライマーでつなぎをしてやる必要があるのです。
そして、昼食後、プライマーの乾きを確認してから、第1回船底塗装。
を、急ぎ仕事にしては、なかなかの出来なんじゃないかな?
で、この日は深夜まで会社で仕事です。
全身の筋肉も限界。だんだんと無理が溜まってきて、辛い……
5/10
泣いても笑っても、本日が最終日。
なぜなら今晩、大雨の予定!
船底塗装の重ね塗りの間に雨が降ると、下の層が水を含んでしまい、オズモシスの原因となりやすいのです。
そのため、早朝から起きて、第2回の船底塗装に取り組みました。
その後、船体磨きやなんやかんやとやって3時間ほど間を開けてから、クレーンで吊って貰い、船台の跡に、最終的な塗装を。
そうなんです。船台に当たっていた部分には、当然ペンキが塗れなかったので、その部分だけまとめてやらなきゃ行けないんです。
その後1時間クレーンでぶら下げて貰い、最終乾燥。
船底塗装後は、本当は一昼夜陸で乾かしたいところなのですが、この後の天気を考えて、愛艇を水に下ろすことにしました。
実はこの作業の時、クレーンのベルトスリングに本体がくっついてしまって、ちょっとばたばたとしてしまいました。
一部未乾燥な部分があったようですね。
悔しいけど仕方ありません。
今回は仮作業と言うことで、その部分については次回の課題とします。(あるいは、秋口くらいに一度陸揚げして、その部分だけタッチアップ的に塗り直すのもありですね。)
そう、実はこの時、すでに風は猛烈に吹き始めていて、”かるがもん”のバース入港に、相当に難儀してしまったのです。
なにしろ、”かるがもん”はFlicka20という、100年前のロブスターボートを現代に復活させた船。つまり、エンジンがほぼ”飾り”に近い設計思想の船なのです。
しかも、ただでさえエンジンが効きにくい性質の癖に、私がエンジンを余り使わないため、実はエンジンはやや不調のまま放置されていたりしたわけで。。。
そのため、現状、こうした風の中では、全然力が足りないわけです。
普段私は水路を出たらほとんどエンジンは使わないため、気にもしていなかった特徴なのですが、こういうトラブルの時には、やっぱりヨットにもエンジンは大事だと痛感します。
エンジンの力不足で、どうしても風上にある自分のバースに入れず、やむを得ず、空いていた向かいの風下バースに一旦着岸。
そこにたまたま通りかかったボートオーナーのD号さんに助けていただき、バースの中をぐるっと手作業で回転させてから、風の息を読んで、一気にエンジン全開でバースインさせました。D号さんに、感謝!
バースに付いたところで、手早く舫を締め直し、嵐が来る前にマリーナを後にしました。
とりあえず、仮の手当にしては比較的しっかりした方じゃないのかな、と、自分では思っております。
周囲のヨットを見ていても、オズモシスに手当をせずに、そのまま船底塗装を塗っちゃっている船も多いですしね。
急いで下架しちゃったのでコケやフジツボはやや付きやすくなってしまっているとは思いますが、オズモシスそのままの状態に比べれば、だいぶマシかな、などと思っています。
続きは、来春です!
というわけで、本日、仕事の合間のヨット船底サンディング作業中に、サンダーが火を吹きました。
あからさまな使いすぎです。
午前の仕事を終え、午後4時までに会社に帰ろうと必死にサンディングしていたのがまずかった。
おかげで、ここ数日かけて作り上げた塗膜層に数センチの穴が空いてゲルコートが見えてしまいました。とほほほほ。
慌ててパテ盛って凹みを補修です。
水曜にでもサンダー新調しないと……
ヨットの補修ですが、とりあえず、含水していた部分を削り取って、エポキシ樹脂で再度FRPのライニング(上塗り)をした形です。
でも、船体本体に水は入っていないんですよね。頑丈そのものです。
施工をした業者さんの話では、元々施工前に入っていた水が出てきているんだということなのですが、前回の修理時に作り直した部分だけが含水している感じなのが引っかかっています。本体から表皮に含水したにしては、船体本体に水がないのも妙ですし。
で、とりあえず、去年追加した表皮部分のうち、怪しいところを削り取って、エポキシに交換した感じです。
ブリスター(水ぶくれ)の出ていなかった一部はわざと残してあるので、来年には結果が判ります。
エポキシの部分に水ぶくれが出れば、船体本体からの水。エポキシ未加工部分やそこに近い部分だけに水ぶくれが出れば、修理の際の施工材質のマッチングエラーということになります。
で、明日は雨なので、FRP部分の上にインタープロテクトを厚塗りでかけて、一旦作業は中断。
来週中に、インタープロテクトの軽い削りと、2回目のインタープロテクト塗り、さらにその上から2回の船底塗装をする予定です。
去年の1月に修理をした私の船ですが、やっぱりというか案の定というか、オズモシスの症状が少し出てしまいました。
とはいえ、内部の水分が出ただけなので、表面の塗装だけのふくらみで、FRP内部までの被害はほとんどゼロ。当然ガラス繊維の剥離もゼロ。
あげく、Audrey号ご夫妻の獅子奮迅の活躍で、あっという間に基本サンディングも終わりました。(ご夫妻には、大感謝です! というか、プロ並みの腕前でした。凄い!)
明日は、傷口を施工業者さんに見せて直し方を検証しますが、まあ大事にはならないかと思います。
クリスフライヤー・シルバーエリート会員証が、家に届きました。つまりこれは、今年に入ってから25000マイル以上スターアライアンスの飛行機に乗ったということ。
思えば、今年は3分の1以上を海外で過ごす生活ですもんねえ。
飛行回数でいうと、今年に入ってからすでに16回。スタアラ以外も含めれば、50000マイル近いんじゃないでしょうか?
ちなみに、そんな私がこの世で一番苦手なモノは、飛行機です。
我ながら不信心な私ですが、飛行機の離陸と着陸時だけは忘れていた聖書の言葉が、頭の中にぽんぽん出てきます。
もちろん走馬燈付きです。
そんな、妙に和洋折衷な脳内風景も、今年はすでに32回繰り返したことになります。
……もう乗りたくない……
一夜明けて冷静になってみると、31マイルを5時間という事は6ノット平均の計算です。
これはちょっとFlickaではあり得ない数字なので、恐らく、帰りはルート選択が正解して、行きの31マイルという数字よりも航行距離が縮んだのでしょう。(実は帰りは距離を測っていないのです(^^;)
それでも、確かに、帰りはGPS対地速度で、常時5.5ノット以上は出ていましたね。
そこから逆算すると、帰りのルートは27マイルくらいでしょうか?
YBMまでは陸越えの直線距離でも20マイルを超える距離ですので、遊ばずにまっすぐ帰ったのがよく判る数字ですね。
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