Magamon's Log 航海日誌 | ホームページへ戻る |
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あ、ちなみに、この手のイベントから経営者以外を排除すべき、とは言っていますが、これは視野狭窄で排外的になっている訳じゃないですからね。
日本では、誰だって自分でリスクを負って、社長として、あるいは役員として他人を雇って仕事を始めることは出来るわけで、その時点で経営者であるわけですよ。そうした人は経営者仲間であり、当然誰でもウェルカムであるわけです。
そうすることで、他人に提供できる何らかの貴重な経験や情報を得られますし、それと交換して先輩方から情報や仕事の方法も得られるわけで。
自分で経営すらしないで(つまり、払うべき対価を払わないで)先輩方から一方的に情報を盗もうなんて言うのは許されないし、そもそもそんなことをしても身にならない、ということだけの話です。
医者のOKも出て、久々に飲みに参加してきました。
今回の集まりは、なんと、ほぼ全員が社長というもの。
いわゆる普通の異業種交流会だと、いくら経営者オンリーを銘打っても、どうしてもそういう場を利用しようと狙う詐欺師や自称社長が多数出てきてしまうものですが、今回はちゃんと事前に仕事上の繋がりで身分を固めた交流会なので、安心して話せるのが嬉しいところでした。
交流会っぽく細々具体的な仕事の話も出ましたが、それよりも、未来に向けて日本を変えていける面子だけで話を出来るのが楽しい。
もちろん、意見や立場はお互い違うのですが、それでも、仕事での裏付けをお互いに知っているから、その理由に納得が出来るしそれを尊重出来るわけで。
そもそも、金のために起業をする奴はある程度以上企業を回すことは出来ないわけで、そうなると、事前の縛りによって、必然的に何らかの理想を掲げて企業をやっている人間ばかりの集まりになるんですよね。
結局4次会まで飲みましたが、どんなお店でも常に社長同士の会話に華が咲いているのが面白いところでした。
ちなみに、社長や士業ばっかり20人も集まると、全員がわがまま放題で、それはそれで面白かったです。
例えば、少しでも店の人がメニューを取りに来るのが遅いと一斉に声をかけたり(笑)
とにかくバイタリティに溢れた集団で、どの店でも圧倒的な存在感を誇っていました。
こういう集まりは定期的に続けてゆくことが大事ですので、色々とやってみたいところですね。
病み上がりリハビリ第一発目の飲みとしては、なかなか充実した集まりで、大満足でした。
結局、ベルニサージュさんも、コスモナートさんからの入荷に切り替えるようです。
そのため、品物も大きく変り、減少するとのことでした。
総代理店制度により競争関係が発生しないのは、大変残念です。
というか、冗談抜きに、先日の国連での自民べったり国連大使の馬鹿騒ぎが値上げの引き金のような気がしないでもないんですよね。
参ったなあ。
本日、日本を揺るがす大事件が発生!
首相指名? いや、そんな2週間以上前から結果の見えていることはどうでもいいんです。
なんと、POLJOTが大幅値上げなんです!
なんだそれは(笑)、などと思わずに、読んでくださいよ〜!(^^;
私の愛するロシア時計、POLJOT。
その、どこか懐かしいデザインと故障率の高さ、そして隙間の見えそうな工作精度の香り、何よりもその工作精度の低さに伴った価格の安さが、私をはじめ、日本のプロレタリアたちを魅了して離しません。
これを日本で入手するにはネット販売くらいしか方法が無く、それも、たった2店舗にほぼ全ての輸入流通を担ってもらっていたのが現状でした。
ところが、今月頭、驚くべき発表が行われたのです。
それは、2店舗のうちの片方、コスモナートさんが、日本の正規総代理店として全ての国内流通を担う、という宣言でした。
http://cosmo-watch.com/
これに伴って、もう一店舗であるベルニサージュさんでは、時計を扱わなくなる宣言を行い、日本のPOLJOT供給元が、コスモナートさん一店のみになるかに見えたのです。
http://www.vernisaj.com/
そして今日、ついにコスモナートさんの新Webサイトがオープンし、我々は恐ろしいものを見たのです。
それは、全ての時計での、2倍近い大幅な値上げ!
中でも私が狙っていたムーンフェイズ付きアビアトールは、6万円強のものが12万円近い値段となり、到底手が出せないものとなりました。(ムーンフェイズ付き手巻きクロノグラフで12万なら安いじゃないかと思うかも知れませんが、POLJOTの恐るべき精度の低さと故障率の高さ、その修理コストを考えると、スイス製よりもはるかに割高で、とても手が出せない金額なのです)
このコスモナートさんのWebサイトオープンとほぼ同時に、ベルニサージュさんのトップページでも書き換えが行われ、ベルニサージュさんでも卸業者を変えることで、値上げをしつつ、販売を継続する、ということになりました。独占販売は法で保証された商行為ではありませんから、もちろん、総代理店ではない販売は十分に可能なわけですね(これが、コスモナートさんから卸して売る、ということではないといいんですが)。
これらに対して、雑多なWeb時計業者たちも、あらたに自己輸入ルートで細々と時計を売る選択や、コスモナートさん卸しで値上がりした時計を売る選択を順次はじめているようです。いずれにしても、大幅な値上げは免れない状況でしょう。
こうして、新しい内閣発足(そして歴史的な参議院での小沢首相選出)と時を同じくして、日本でのロシア時計戦争が、唐突に幕を開いたのです。
熱心なファンの多いこの時計ですが、mixiはじめ、まだ、ネット上では無反応なようです。
ファンが気がついたときにどのような騒ぎになるのか、あるいはニッチ時計すぎて騒ぎにすらならないのか、今から固唾を飲んで見守っております。
自民党の四役が決まったという話をふーんと見ていた私。
って、四役!?
選挙対策委員長って、なんだそれ!?
選挙対策のポストを独立させたって、それじゃあ、幹事長は何をやるの?
自民の派閥体質で、選挙の時の船頭が増えるって、まずくない?
福田さんの継投が決まったのに、自公の謎はますます深まるばかり……
ええっと、旧友から体調を心配する電話がかかってきたので、軽く説明を。
取りあえず、命にまったく別状はないです。
ただ、一時的な症状が派手だったので、検査だなんだといまだに尾を引いています。
中でも一番参ったのが、これ。
さすがに自分で写真を撮ることは出来なかったので、ネットからの引用ですが……
http://www.shirakawa.ne.jp/~kousei/comedical/x_ray/imges/CT/CT-_0004.JPG
ええっと、写真左上のSF風エイリアンのような高さ2メートルほどの物体が、血管造影剤の注射器です、はい。
300mlのゲル状ヨード剤をショックを起こさないギリギリの速度で一気に注入する装置で、しかも、外見通り、機械制御の注射器です、はい。
で、これで注射されながら、光がくるくると動く、巨大なドーナッツ上のCT装置に飲み込まれてゆくわけです。
バンドで台に固定されて、正直、仮面ライダーにでも改造されるかと思いましたよ。(お前はライダーじゃなくって、魔界将軍か魔王の方だろうって? いやいや(^^;)
結局、ロシアの安保理棄権が「日本原因でない」とした高須幸雄国連大使発言を否定するため、ロシアが声明を発表したようです。
(あっちゃー……としか言いようのない、高須発言はこれ↓)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070921/usa070921007.htm
外務省が、わざわざ公式に近い国連大使発言でロシアの意図を曲解するから、結局ロシア自身の批判を出させて、日本はより国際的に追い込まれちゃったわけで。
ロシアもせっかく日本の立場を考えて黙っておいてくれたものを、嘘発表で喋らざるを得なくしてしまうとは、なんというか、とほほな話です。
そもそも、国連安保理で国内世論をどうにかしようというのが、民主党どころか、国連も日本国民もバカにした話。
民主党だって、国連をねじ曲げろという話をしているのではなく、国際世論の後付のない米国盲従をやめろという話をしている訳だしねえ。
自民公明もそれに盲従する上級役人連中も、小泉時代からこのかたB層対策ばかりやりすぎて感覚が麻痺しているのか、あるいは外務省に多い創価公明信者を使ったためにこんな情けない結果になったのか。
いずれにしても、なんというか、本当に自民党には政権運営能力が無いとしか言えないですよね。
投げ出し総理といい、本当に情けないとしか言いようがないわけで。
ニュース:アフガン決議 露が批判声明文
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070922k0000m030066000c.html
えー。ちょっと胸の痛みで救急車で運ばれてました(^^;
先週末、朝起きたら痛みで動けず、そのまま救急車送りでした。
結局原因は不明ですが、恐らく過労のためで、心臓に異常はないとの事で一安心です。
まあ、仕事の飲みが続いた上、締め切りに海外出張にと、暴れ回っていましたので(^^;
皆さんも、体には気をつけて!
いやあ、なんか安倍さん、すごい辞め方してくれちゃいましたね。なんというか、世間知らずでお坊ちゃん育ちの新入社員が5〜6月にやらかす辞め方にそっくりです。
あまりに恥ずかしく、彼がしばしば口走る「美しさ」とは正反対で……一国民としては、正直勘弁していただきたいところです。
カルト系の人間は、一番自分が指摘して欲しくないところを自ら大声で他の人の欠点として叫ぶ癖がありますが、安倍さんもその類だったのでしょうか。
で、ニュースによると次の候補はこの人であるようですが……
ITメディアニュース:
安倍首相辞任でアニメ企業の株価上昇 「ローゼン麻生」に期待か
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/12/news060.html
私も、アニメ業界の末席を汚している者ではあるわけですが、麻生総裁でアニメが重視されるかというと、正直かなり疑問なのです。
これは麻生さんの能力云々の問題ではなく、そもそも、アニメ業界には、政府がどうこうする余地があまりないんですよ。税金をつぎ込んだところで何が売れるのか何が売れないのかわかりにくい傾向が強いので、大予算作品が=良い作品になるかというとそうでもないんですよね。
となると、アニメに対して政府に出来ることは、せいぜい表現の自由の拡大くらいのものですが、麻生さんはそれに明確に反対をしているわけです。そうなると総理になっても出来ることがあるのかな、と思わざるを得ないところがありまして(ちなみに、実は私もエロ表現の規制強化と著作権法の強化には賛成なので、この辺は麻生さんとまったく同意見と言えるのですが)。
アニメの海外進出を援助する云々と言いだしたところで、今の日本のアニメの大半は完全に国内向き戦略(深夜放送によるファンの囲い込み&DVD販売)に特化したものであって、これでそのまま海外進出が出来るかというと、到底不可能。
そもそも国内ですら、政府お抱えのアニメ作品をみんな見たがるのか、という疑問もありまして。文部省推薦の文字が入った作品が馬鹿売れしたという話は、ジブリ作品を除いてあまり聞かないんですよね。
ついでに言えば、近縁業種のゲーム業界も、いまや米国・韓国に大敗を喫してしまい、向こう数年は日本ゲームが上向きになる目はありません。(とはいえ、米韓は国家補助でゲーム業界を育て上げたので、大予算を要するゲーム制作には国家補助が大変有効である事は間違いありません。再び世界主流派にまで育て上げるのには、たぶん5年くらいかかりますが。その頃にはどう考えても次の総理になっているでしょうし)
それよりも、米国式に民事再生法を多段階に充実させて(アニメ会社に多い)零細企業が何かの拍子にドジっても潰れにくくするとか、国営の金融機関を充実させて事業評価をちゃんと行うようにして事業回転をしやすくするとか、銀行の貸しはがしを禁止する法律を作って土地や資産のない優良企業が潰されることをなくすとか、ホワイトカラーエグゼンプションをきっちり導入するとか、零細企業の知的財産権を守る制度を作るとか、そういう制度の資金が無駄遣いされることの無いように天下りを厳密に禁止するとか、そういうごく普通の零細企業支援対策の方が、アニメが作りやすい環境・アニメビジネスが盛り上がる環境を整備する事になるかと思います。
でも、アニメが目立つ売りになっちゃっている麻生さんでは、逆に、この辺の地味な(でも確実にアニメ業界向上に効果のある)政策を取りにくくなるのでは、と懸念をしています。
派手に、アニメにマルシーをくっつけているだけの大手を限定的に衆目わかりやすく支援したところで、それが素直に業界全体の売り上げに直結するような単純な世界では無いんですよね。もしアニメがそんな単純な世界だとしたら、今頃は大企業による大資本アニメだけが大ブレイクしている状況になっているはずなのですが、現実はその正反対に、名前も知らない零細企業ばかり無数にある世界となっておりまして。
やはりアニメは、商業性が強いとはいえ、一応は芸術の端くれなのです。芸術にも最低限のお金は必要ですから、芸術とお金は無関係ではないのですが、金や権力があればなんとかなるというものでもないわけでして。
ちなみに、麻生さんは、学連上がりのバリバリのヨットマンでもあられまして、私としてはむしろこっちのヨット・ボート関連政策の充実の方に期待をしております。
麻生新総理が石原都知事の掲げる東京オリンピック構想とくっついて、東京の運河の復活や、海ほたるなどの公共施設への有料桟橋の設置、海の駅構想のさらなる拡大、海上法違反への罰金の一部廃止と点数制度&反則金制度の導入などがあれば、経済的効果も極めて大きいのではないでしょうか?
何しろ、日本は海洋国家であり、またマリーナ費用なども先進国ではさほど高い方ではないのに、肝心のボート保有率が先進国最低に近い数字なのです。
しかも、アニメのような芸術性を含んだわかりにくい世界ではなく、日本の箱物行政大得意の単なるレジャースポーツの世界ですから、お金をかければかけるだけ、規制を取っ払えば取っ払うだけ、業界を盛り上げることが出来ます。
まったく未開拓の一大レジャー産業が盛り上がるチャンスが、今まさに到来しつつある……といいなあ、などと夢を見ています。
まずはじめに言っておくが、私はホワイトカラーエグゼンプション賛成派だ。
なぜなら、私自身映像制作会社を持っているわけで、その映像デザインの世界では、残業代を出してしまうと無能なやつほど給料が高くなり、能力の高い作業の早い人間が無手当になるという悲惨な現実があるのだ。
ボーナスで補填をしたり外注扱いにしたり諸手当などでいろいろな工夫をしても、焼け石に水。結局これを根本から解決して、信賞必罰を厳密に行うには、ホワイトカラーエグゼンプションの導入しか方法がない。
だが、そんな私でも、さすがにこれは鼻白む。
時事ニュース:
残業代ゼロ法の言い換え指示
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2007091100434
家庭だんらん法って、何だそりゃ!?
そんな欺瞞に満ちたやり方では何も変わらない。むしろ状況は悪化するだろう。
そもそも、そんな言い換えで手のひらを返して賛成をしてくれるようになると思うと言うこと自体、国民を馬鹿にしすぎている。
ホワイトカラーエグゼンプションは、労働という概念そのものを「社会から強制される苦痛に満ちた奴隷的なもの」から「社会に対して自ら望んで行う自己実現の場」へ変更する重要なシステムの導入であるから、あくまでも正面から理解を求めなければいけないはずなのだ。
こうした詐欺師的手法で導入されれば、誰も正しい理解をせず、単にケチな悪徳経営者が一時的に小銭を得をするだけで、肝心の労働システムの変更が発生しないことになる。
これではいけない。結局信賞必罰に影響をしないシステム変更など、企業にしてみれば無駄でしかないのだ。
こんな欺瞞に満ちた手を使うほど苦しい状況であるのなら、ここはいったん引いた上で、ちゃんと与野党双方の議論を経てから、練りに練った労働新法を作り上げていただきたい。
日本に帰ってからガイドブックを見たら、ホテルリスボン(Lisbon)じゃなくって、ホテルリスボア(Lisboa)、ですね。
リスボン風ホテル、って感じの意味でしょうか?
現地では会話ばっかりであまり文字を見なかったのでわからなかった(^^;
仕事で香港−マカオ3日間の旅をしてきました。
・9月4日 出発日前日
台風が鋭意接近中のため、仕事の後、ANAホテルに前泊です。
成田ANAホテルは、車を旅行中駐車場に置ける上、ANAの飛行機なら、ホテル内でチェックイン出来る点が大きなメリットです。なんと、荷物も預けられるのが強み。
ここは非常に良いホテルで安心できます。
ただ、ANAグループから売却され、インターコンチネンタルホテルになるそうです。グループ変更でもこの質が保てるのか、ちょっと心配です。
この日の夕食は、創作和食でした。
自宅の犬が初台風でおびえて暴れないかどうか、ちょっと心配です。
寝ているときは大人しくてカワイイ犬なのですが……
・9月5日
朝は、ビュッフェで腹ごしらえ。私は肺だけでなく腸も弱いため、朝食はなるべくホテルで食べることにしているのです。いきなり変なモノを食べて腹下しして一日を潰すのは避けたいので。
ANAホテルのビュッフェには、ちゃんとオムレツのコーナーもあり、海外レベルに達していました。さすが。
ホテルでのチェックインは非常にスムーズ。
ファーストクラスやビジネスクラスの経験もありますが、正直、ここまでスムーズなチェックインは生まれて初めてです。一切並ば無い上、くつろぎながらチェックインできるのはVIP気分です。しかもただのエコノミーなのにこの扱い! 感動です。
そして、ANA909便で、香港へ!
香港国際空港から市街地までは、ホテルハイヤーで30分ほどの距離。タクシーで400HKD、ハイヤーで750HKDなので、奮発してホテルハイヤーを使ってしまいました。
仕事出張のため、帰りの大荷物を想定してカバンがデカイので、電車やリムジンバスは選択から外れるため、そうなると自由が効き、中で仕事の出来るホテルハイヤーが一番なのですよね。
ホテルは、グランドハイヤット香港。コンベンションセンターに隣接したホテルです。
もちろん部屋のランクは一番下を迷わず選択!
ホテルこそ、仕事の都合で良いホテルにしましたが、一人旅に高級な部屋は不要です。
ホテルの自室でのチェックインに、感動。
しかも、ウェルカムワイン一本に、フルーツボウル、チョコレートアソート付き。
AMEXの手配だと、こういうさりげないサービスはさすがなんですよね。
実は今回の手配では、AMEXプラチナ旅行部の毎度お馴染みのサボりでいきなり途中でホテルの予約をキャンセルされるなどの酷い目にあったのですが、AMEXのサービス本体に問題はないのですよね。問題は電話を受ける人間にあるわけで。
チェックイン後、休む間もなく仕事に。
まずは、香港ウォッチ&クロックフェアです。
これは、アジア最大の時計関係ショウで、中国・香港を中心に、多くの時計関連企業が出展しているショウなのです。
日本からは、防衛省御用達でお馴染みのK社さんが出品していたようです。
仕事関係なのであまり詳しくは書けませんが、色々と見てきました。
続いて、自室から見た香港の夜景。
まさに100万ドルの夜景です。
ちなみに、グランドハイヤットの担当の女性スタッフはヨット好きのカルフォルニア出身者で、非常に話が合いました。気も大変良く利き、全てを指示せずとも素早く動いてくれるので、一人旅には大変ありがたい存在でした。さすがはグランドハイアットです。
ただ、このお姉さんが明日以降お休みのようで、チェックアウトを担当してもらえないのが気がかりです。
・9月6日
この日も朝からウォッチ&クロックフェア。
2日目からは、いよいよ定番のお姉ちゃんたちも出てきて、大いに盛り上がります。
私は仕事に集中。
ようやく昼前には解放され、ホテルに荷物を置いた後、今度はマカオを目指します。
マカオは、日本からの直行便が今のところはなく、そのため、一度香港に行ってからフェリーでの移動となります。
香港とマカオでは同じ中国の内部ではありますが一国二制度の都合で(旧イギリス支配下と旧ポルトガル支配下で)政府管轄が変わるため、国際航海扱いとなります。
移動には、日本でも伊豆大島行きでお馴染みのジェットフォイルを使用。移動距離も大体、東京伊豆大島と同じくらいです。
香港のフェリーターミナルは、薄汚れた感じでした(^^;
ちなみに、香港市内でも気がついていたのですが、香港では、今、日本のお菓子ブームが巻き起こっています。
小さくカラフルでそして手が込んでいる日本のお菓子は、中国本土の人に「OKASI」の名で大人気だそうで、港町香港でも売れ行きナンバーワンのお土産になっているんだそうです。
中でも有名なのが、これ。
そう、日本の皆さんにはお馴染み「AJI iCHIBAN」の「優の良品」シリーズです。
なかでも「分類されます豚肉」や「コショウ豚肉」は、中国本土の人たちの舌にも良くマッチした味付けで、非常に人気が高い日本お菓子だそうです。
え? そんなメーカー知らない?
いやいや、そんなはずはないんですよ。何でも、香港で聞いたところでは、日本でかなり有名なメーカーだそうですから、ハイ。実際、ホテルや国際ターミナル、空港、カジノなど、香港・マカオの高級な場所には必ずこの店がありました。
……中国本土の皆さんや香港の皆さんが、「分類されます豚肉」を嬉しそうに次々と買って行くのは、なんだか不思議な感じがします。
あとは、日本のメーカー「ロッテ」のお菓子も大人気でした。
ええ、香港の人に聞いたところ、日本のメーカーらしいです、このロッテさんも。
これも、どうも妙にビビッドな色遣いのパッケージで、韓国の有名お菓子メーカー、ロッテさんとは別の会社のもののようにも見えます。ハイ。だからきっと日本のメーカーのものなのでしょう。
そして乗船時間となり、乗り込みます。
香港−マカオ間は、軽食付きのスーパークラスで240HKD。1時間の船旅です。
ちなみに軽食は、サンドウィッチ1つに、ケーキが2つ、中華風のアンニンもどきが1つ、さらにフルーツという、甘党なら大喜びしそうなメニューでした。
途中、右舷側に座礁した作業船を見ながら船旅は続きます。
水が濁り始め、水面に浮かぶホテイアオイのような植物が増えてくると、もうマカオです。
マカオではHKDがそのまま通用するため、イミグレはあるものの、香港とあまり気分は変わりません。
マカオの街中には、各カジノホテルが出している無料送迎バスが便利です。
私はまず、定番のリスボンカジノに向かい、そこで軽く1時間で3000HKDほど資金を確保。
私と相性の良いホイールオブフォーチュンこそ無いものの、投入バランス調整可能なスロットは多数あったので、それをチョイス。最初は中国語が読めずにとまどいましたが、結果的にはまあまあの勝ち方が出来ました。
それにしても、マカオのカジノでは、一定割合以上の大勝ちをすると、キャッシュアウトの際に軍服姿の警備員(というか普通の人民解放軍の女性兵士のようにしか見えない……)が飛んでくるんですね。
最初それを知らずに、キャッシュアウトボタンを押すと同時にいきなりスロットマシンのサイレンが鳴って警備員に駆け寄られ、何か不正行為でも誤解されたのかとビビリまくりました。
財布も買い物には充分な暖かさになったので、どこからともなく湧いてくるお姉ちゃんたちを払い避けながら、街中へと出発です。(ああいうお姉ちゃんたち、カジノ内部にはあまりいないので、カジノで勝ったカモを見つけると、携帯か何かで連絡を取り合っているんでしょうかねえ)
政府庁舎のある街の中心地に行くと、そこは、ミニポルトガル。
マカオは二次大戦中も日本軍が攻め込まなかったため連合軍の爆撃を食らわずに済み、歴史ある建造物がそのまま残っているのです。
そろそろ3時のお茶の時間だけあって、街はにぎやかです。
そのまま街の路地を歩くとまるで清水寺周辺のお土産商店街のような風景になり、そこを抜けると……
昔から言い聞かせられていた風景そのままの光景が、飛び込んできます。
聖ポール修道院跡。
長崎の、カトリック日本人殉教者の眠る聖地です。
マカオは、元々、ポルトガルが布教のために作った街です。
マカオ設立時のメンバーでは、有名どころで聖フランシスコ・ザビエルもおり、日本にも非常になじみ深い都市なのです。
中でも、聖ポール修道院は、島原の乱の年に日本人信者によって建設された修道院で、非常に日本との繋がりが深い教会なのです。
地下聖堂では、日本人殉教者たちのお骨がガラスケースの中に納められており、そこは現役の小さな教会になっているのですが、そこに中国本土からの観光客が大挙して押し寄せ、説教台の上で神父のマネをしたり、日本人殉教者の遺骨でホラーごっこをして写真を撮ったりとやりたい放題でした。
共産圏は宗教を否定するのでどうしてもああなっちゃうんでしょうが、バブル期に世界の遺跡を荒らしたJALパック禍を思わせる、何とも荒んだ光景でした。
その後、ポール修道院付属の博物館を見学。
有名な島原の乱の天草四郎磔刑といわれる絵などもありました。
こういう聖なる光景を見てしまうと、私もいい加減無所属の無宗教者なんてやってないで、ちゃんとカトリックに入るべきかなあ、などと思うのですよね。ただ、日本で暮らしている分には、なかなかそうした宗教的機会が無いのも事実でして。
結局私も、正月初詣に行き、お盆に先祖を迎え、クリスマスを祝う、そんなごく普通の日本人な訳で。だからこそ、こうした聖なる光景を見ると、強い衝撃を受けるのですよね。
こうした体験で思うのですが、日本に創価や統一などのカルトがはびこるのも、そうした宗教的機会が無いことの裏返しなのかも知れません。
宗教の教義や宗教指導者がどんなに邪悪であっても、信者の祈る祈りそのものの真剣さは本物であって、そのため、こうした聖なる光景はそうした邪教カルトにも当然あるはずで。
宗教的・精神的風景を見慣れていない人には、祈りのもたらす聖なる光景はあまりに衝撃的で、そこを邪悪な宗教指導者に利用され、あっという間に洗脳されてしまうのかも知れませんね。
その後、天主堂跡に上り、マカオの街中を上から眺めました。
小さな、美しい街です。
その後、ふと、道ばたにお茶屋さんを発見。
早速中に入り、茶葉を物色。
なんと、ここの店主さん、あの有名なマカオ茶芸協会設立者のFeiさんでした。
途中から、コートでジャッジをしているという、白い金モール付き提督服を着た軍事マニア風の変なおじさんがバイクでやってきて、片言日本語の得意な彼も交えてお茶会モードに突入。
英語、ポルトガル語、広東語、そして日本語。お互い片言の言葉同士ですが、このお茶は若いが旨い、あのお茶は値段と額面上の年月ばかりでろくでもないなど、お茶マニア同士の話に華が咲きます。
そういえば、このリーさんとかいう人。えらいお茶マニアだけど、ジャッジって、どんなスポーツのジャッジなんだろう……提督服だからヨット……でもヨットはコートでやらないし……?
って、金モール付きのCourtのJudgeって、マカオの終審法院(最高裁)か中級法院(高裁)の裁判官か!?
彼が帰った後で気がついたよ! 裁判官ってマカオ全土で20人前後しかいない、マカオの国家VIPだよ! 最高裁なら確か3人しかいない主要大臣と同格扱いの超VIPだ! ひょっとして、あの提督服は本物か!? ひえええええ!!
……さすがはFeiさん、凄い面子でお茶を飲んでしまいました。
Feiさんのお茶のテクニックは、簡潔且つ確実で、素晴らしいものでした。
もちろん、お茶を買いまくりましたとも。ええ。
なかでも、六大山全てのお茶をセットにした青茶の茶餅のビンテージセットはお宝です。
そもそも日本では、茶餅や茶轉っていったら、中華街に行ってもなぜかプーアル茶轉しかないわけで。青茶や紅茶の茶餅や茶轉ですら貴重なのに、それが六大茶山で、しかもビンテージですよ。
その他にも、貴重茶葉がずらり勢揃い。
カバンの重量は際限なく重くなりますが、いや、もう楽しみでなりません。
その後、Feiさんの店の近くの仏教系寺院を見学。
ただしこっちはカトリック施設と違い、閑古鳥が鳴いていました。
お隣韓国でもそうですが、カトリック勢力圏での仏教系寺院は、人集めのために観光施設化が進んでしまい、そのせいで逆に聖性を失って人が集まらない状況になっちゃうんですよね。
この寺院でも、のんきにわんこが仕事をしていました。
マカオは犬が多く、犬用の設備も街中に多くありました。
極めて狭くて移動が困難な街だけに、ペットの存在は欠かせないのでしょうね。
その後、街の中心部に戻り、食事のためにカジノに戻ります。
ところが、先ほどのリスボンでは、宿泊者しか食事が出来ないといわれてしまい、他のホテルに移動する羽目に。
グランドリスボンホテルがまだ建設途中なのにカジノ部分だけ開業しているため、リスボン周辺に人が溢れていて、旧リスボンのレストランだけではとても捌ききれなくなっているそうなのです。
で、早速行列してタクシーを拾うものの、なんとタクシーで、全然言葉が通じない!
行きたいのは新しくできたVenetianカジノなのですが、これをヴェネティアン、と英語発音してもダメ、日本風にベニスといってもダメ。そう、ここはポルトガル語と広東語しか通じないマカオなのです。
困り果てて、誰か俺の英語をポルトガル語か広東に訳してくれ! と窓を開けて英語で叫ぶと、交差点をガードしていた警備員さん(というか、お巡りさん?)が通訳をしてくれました。彼も私の発音はわからなかったものの、でっかい新しいホテルカジノだと言うと一発で理解をしてくれました。
いやあ、助かりました。こんな変な日本人の通訳をしてくれるんだから、マカオの人たちは本当に心が優しい!
ちなみに正しい発音はヴィエネスィア、という風に聞こえるものでした。
Venetianは、さすがアジア最大だけあって、むやみやたらに広い!
しかもそこにみっちりと詰め込まれた、人、人、人、人!
普通カジノ内は撮影禁止なのですが、とてもそこまで手が回っておらず、撮影し放題、騒ぎ放題です。ドレスコードも何もあったものではありません。リスボンカジノの優雅さやチェックの厳しさが、嘘のようです。
ここは、マカオが、大中国に返還されたのだ、ということを一目で理解できる場所です。
お目当てのレストランも当然宿泊者のみといわれてしまい、入れず。仕方がないのでネットで聞いた裏技で、付属ショッピングモールの飲茶コーナーに突進。
飲茶といってもかなり食事も充実していて、充分に食事を楽しめます。
食事は豚の皮をカリカリに焼いた化豚というメニュー。これが50HKD。
12HKDとえらい高い金額でしたが、日本のお茶「なごみ」を付けて、夕食です。
海外で日本茶というのも無駄に贅沢ですが、中国の食事に疲れた舌と胃には、渋いお茶が一番と思った次第です、ハイ。
食事は、中国らしく骨付き肉なのが相変わらず食べにくいですが、それを除けば大変美味。
で、お茶を一口……って、甘い!!
よく見たらこれ、HONEY GREEN TEAって書いてあるよ!!
「なごみ」って書いてあるけど、産地中国本土だし! コカコーラのロゴ、微妙に間違ってるし!
くう、ここまで付きまとうか、偽日本食品!!
胃袋と舌、余計疲れちゃったよ……
その後、巨大なホテル内を力なくさまよい、何とか無料バス乗り場に到着。
帰りのバスでは、Rubyという名前のマカオ美人と隣席になり、話に華が咲きます。
そう、このRuby、イギリス留学経験があって、英語がぺらぺらなのです。
丸半日ほど片言続きでまともな会話を交わせていなかったので、嬉しくって私も話す話す。
Rubyはカジノのマーケティングの仕事をしているそうです。例のFeiさんのお店のそばに住んでいるけれどもお茶屋さんの存在を知らなかったそうで、有名なお茶の店が近所にあると知って、驚いていました。
そんなわけで、あっという間にフェリー乗り場。
別れを惜しみつつ、香港に戻ります。
帰りのフェリーでは、発券所でいきなり「走って!」との指示(^^;
手元を見れば、なんと5分後に出航する船のチケットじゃありませんか。
そんなこと言ったって、イミグレは駆け抜けられませんってばさ。
マカオも香港と同じく、みんな気が短いんで、親切心でこういうチケットを出してくれちゃうんですよね(^^;
取りあえず、周囲のマネをして、俺はあと5分で出航なんだ! と叫びながらイミグレを突破。一気に判子を押して貰い、そのままダッシュで高速フェリー、サンタ・マリア号に乗船しました。
息を切らしながら席に着き、CAさんにお願いしてお茶を一杯。
……タクシーでの件と言い、なんだかだんだん香港人化してきた自分が、怖いです。
・9月7日
いよいよ帰国の朝。
ホテルはなんだか、女子大の卒業式と重なってしまったようで、朝から学士帽を被った女の子とその家族連れで大にぎわいです。
そんな中、まずは香港の定番のお茶屋さんに行き、お話を少々。
もちろんついでにお茶も購入。
正直、これ以上お茶を買ったら、もう持てません。
そしてチェックアウトをし、ホテルリムジンで空港へ。
で。例の女性スタッフはお休みだったため、案の定、トラブりました。
荷物が重いためラゲッジサービスを頼んだのですが、やって来た男が若い色白スキンヘッドのいかにもダメウヨ系の人間。英語もあまり通じず、広東語でいちいちぶつぶつと文句を垂れて、非常に不愉快です。
私を部屋から「Get Out!」と追い出し、挙げ句の果てに、私の属性をろくに確認もせずにいきなり荷物をタクシーに詰め込み始める始末。
タクシーに荷物を詰め始めたときにはさすがに周囲のスタッフも止めに入り、リムジン客にお前は何をしているんだと彼を指さして大笑いをしていましたが、酷い扱いを受けたこっちは笑い事ではありません。
もちろんこんな男にチップは無しです。
日本でもそうですが、おそらくこの手の人間は自分のダメウヨ的態度が周囲の蔑視を生んでさらに彼自身を追い込んでいることに気がつかないのでしょうね。
ハイヤーの運転手からも詫びをされましたが、詫びと言うよりも、彼の悪口という感じでしたので、どうも外国人に対する差別的態度の常習犯のようです。英語の文法はともかく発音は悪くなかったので、恐らく、定番のフィリピン人アマ(メイド)に育てられため、妙に外国人に対する差別意識ばかり育ってしまった典型的ダメ香港人なのでしょう。
こういう人間でも片言の英語が使えれば業務に使わなければいけない場面があるという点が、高校から先の進学率の極めて低い香港の現状でもあるんですよね。
で、空港に着くと、ホテルの専属ポーターが待機していて、私の荷物をカウンターまで運んでくれます。単なるラゲッジマンはともかく、こういうところの人材はちゃんとしているあたりが、さすがグランドハイアットです。
ポーターは、3時間も前に到着した私のフライトナンバーを聞いて「早すぎますよ、サー」と言っていましたが、実はこれで正解。
その頃日本には台風が来ていて、飛行機がどうなるかわからなかったのです。
実際、カウンターに行ってたところ、すでに3時間の出発遅れが確定していました。ANAのミールクーポンも出ていて、もちろんカウンターは大行列。
必死に行列に並び、日本のANAホテルの快適さを懐かしく思いながら、なんとかかんとかチェックインを済ませ、イミグレに移動します。
すると、一難去ってまた一難。なんと、荷物についてイミグレ(出国審査)のお姉ちゃんが難癖を付けてきたではありませんか。
イミグレとは言っても、このお姉ちゃん、イミグレのだいぶ前にいる警備のお姉ちゃん。要するに下っ端も良いところです。
で、このお姉ちゃん曰く「あなたの荷物は適正サイズを超えている。このケージに入れてみろ」とIATAケージを指さす。もちろん私のカバンは全てIATA適正なので、通らないわけがない。大量のお茶で丸く膨らんではいますが、たかがお茶。ちょいと押せば普通サイズです。
OK!と、カバンを軽く通してみせると、お姉ちゃん軽く舌打ち。……私の全然悪びれないにこやかな態度が、彼女のつまらないプライドを酷く傷付けたようです。私に、オーストラリアでのデジャブーが蘇ります。
要するにこのお姉ちゃん、私の荷物が問題だったのではなく、パスポートの色が日本独特の朱色だったのが気に入らなかったのです。で、荷物が大きそうだからこれ幸いと難癖を付けたわけで。
この手の超法規的過剰忠実姉ちゃんは、世界各国古今東西に存在していて、その全てが、つまらない人種的プライドに命を賭けているのです……
で、案の定、こんどはこのお姉ちゃん、さっきのケージの話はどこへやら、言い分を変え「乗客は一つの荷物しか認められていない」と言い出しました。
実はこれは間違いで、IATA乗客は一つの荷物と、コンピュータ入れを別に持つことを認められています。
もちろんこちらもそれを指摘しますが、お姉ちゃんはいきなり抗議請求権に関する書類を突きつけ、脅迫を開始。周囲の警備員たちも、どうしようとハラハラの様子です。
ここがノンビザ渡航の辛いところで、私たちはこうした状況への抗議権を放棄している代わりにノンビザ権を得ているので、もしも出るところに出れば、一旦はこのお姉ちゃんの主張が全て通り、私は逮捕の上一度強制送還となることは必定なのです。そのことが書かれた書類が、お姉ちゃんの手の中にある書類。さすがこのお姉ちゃんも常習犯らしく、用意周到です。この用意周到さはアジア女性だけあって、オーストラリアの国内線で威張り散らしていた姉ちゃんよりもさすがに上。で、抗議はその上で行うことになりますが、まあ、帰国してからの抗議となるので、なかなか通るものではありません。逮捕されれば犯罪歴も一旦はつきますし、身ぐるみ剥がれて携行品の内の金目のモノは大概全て私的没収でどこか知らないところに消滅。挙げ句の果てに牢獄で数日過ごした上で、正規航空運賃での帰国を余儀なくされます。それを知ってのお姉ちゃんの手の書類なのです。
これが完全な私的な遊びの旅行だったら逮捕経験も人生経験の内と徹底抗議しても良かったのですが、実は、仕事の都合で会社のお金を少々持ってきていたため、こりゃ分が悪いと判断せざるを得ませんでした。個人のお金を取られる分にはともかく、会社のお金を取られたのでは洒落にもなりません。それどころか、その前段階で荷物の厳重検査とかをやられ、お茶の包みをむやみに開けられるだけでもせっかくのビンテージティーがダメになり、大損害です。
とりあえず、いちどANAのカウンターまで素早く撤退して、人を集めて作戦を練り直します。
しかし、ANAの窓口の人(香港人)の判断でも、そういうレイシスト姉ちゃんの主張を曲げるのは恐らく個人的に強い理由があるので難しい、とのこと。反対側の入り口にもきっとすでに手を回しているだろうから、素直に荷物を減らすのがよいだろう、という話でした。
で、結局、ノートパソコンを剥き出しで持つことに決定。
PC周辺パーツは茶器入れにぶち込みましたので、カバンの方は、ますます重く危険になりますが仕方ありません。預け入れの荷物にも茶器が入るため、くれぐれも気をつけて、と係員に注意をします。
そしてお姉ちゃんに堂々とノートPCを見せつけながら国境を通過。
お姉ちゃんはこちらを睨みつけていましたが、言いつけを守った以上文句も言えないようで黙っていました。まあ、向こうも日本人の困った顔を見たかっただけでしょうから、ANAカウンターでの大騒ぎを見ていれば十分に満足だったのかも知れません。
むき出しのPCは手も痛い上に傷が心配でたまらず……いやはや、参りました。
でもまあ、日本の出入国でも、ネトウヨ系の入管職員が特にアジア近郊の諸外国の人たちにだいぶご迷惑をおかけしているようですからね……お互い様というか、何というか……。こういうろくでもないのが増殖しているのも世界的な流れなんでしょうね。
でも、一度出国してしまえばこっちのもの。
そこはどこの国でもない、自由の土地です。
取りあえず、お茶屋に入り、まずは大紅包を一杯。
ANAのミールクーポンは使えなかったものの、素晴らしい一杯に心も落ち着きます。
空港は広く、出国後地域内だけの電車まで走っています。こうしたところを歩くだけでも楽しいものです。
イミグレの騒動でだいぶ時間は使いましたが、幸い、台風遅延のおかげで離陸まではまだまだ間があるので、ラウンジに入って飲茶を楽しみます。
思えば台風がなければ、飛行機に乗り遅れていた可能性があります。
そう考えると、やはりつくづく私は強運の持ち主です。
ラウンジでは、ヌードルバーと、日本でメジャーなドリンク「鮮の毎日」を選択。
帰国後車で帰宅するので、アルコールが飲めないのが辛いところですが、懐かしい日本の味で、心が癒されます。
ちなみに「鮮の毎日」は妙に工業的な油臭い臭いがしたため、さすがに半分以上残しました(^^;
中国食品は、こちらの注意力がないと危険です。
そうこうしているうち飛行機の搭乗時間です。
無事に乗り込み、そのままスムーズに離陸。
たった4時間のフライトにもかかわらず、ドリンク&お菓子1回、夕食1回のフルサービスでした。CAさんたちも台風の遅延で無理なスケジュールになっていて、クタクタに疲れ果てているはずですが、丁寧ににこやかに対応してくれたのは、さすがANAですね。
そして、日付が変わる直前、ようやく日本に入国。
会社と自宅に連絡を入れ、ANAホテルに向かいます。
ANAホテル行きのバスでは、同じ便の香港人CAさんたちとご一緒でしたが、日本人酔っぱらいが一人紛れ込んでいて、彼女らに絡んでいました。
まあ、悪質な酔っぱらいではないので、取りあえず話し相手になってやり、CAさんたちから注意をそらしておきました。
バスを下車後、運転手さんとCAさんたちに軽くお礼をいわれたのは、ちょっと嬉しかったわけですが。まあ、日本の印象を悪くもたれるよりも、酔っぱらいの相手をしている苦痛の方がいくらかマシですからね。
ANAホテルでは、台風の間車を預けていたお礼を申し上げ、ついでにトイレもお借りしました。
この日宿泊するわけでもないのに丁寧な対応で、感服。
やっぱり良いホテルですねえ。ここは。
ちなみに、台風に吹かれてずぶ濡れになっていた愛車のごきげんは最悪でした。
ブレーキに水が入ったらしく、妙なエラーメッセージを連発されながらの、どきどきの帰り道となりました。
そして、伊部雅刀のジェットストリームを聞きながら、帰宅です。
ちょうど曲間で車の話題をやっていたので、あんまりわがままだとFiat500に買い換えちゃうぞ、などと愛車を軽く脅しながら、楽しい夜のドライブを終えました。
仕事を中心にした3日間の強行軍ではありましたが、なかなか充実した旅でした。
特にマカオは、なかなか良いところでしたよ!
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