Calender

<   November 2024   >
SunMonTueWedThuFriSat
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930


SEARCH



Twitter



日記詳細&コメント

Go West ! in Japan

 関に行ってきました!

 関は刃物の街。その刃物の街で、町おこしのイベントが行われていたのです。
http://www.sekicci.or.jp/event/matiokosi/index.htm
 となれば当然、ナイフ関連のイベントも開かれるわけで……
 ……そこに、前回の鍛造ナイフ教室でお世話になった佐治先生がいらっしゃるという話を知ったのが、実は、イベント1日目の夜。先生が出られるイベントということであれば、何とかして参加したい。
 しかもそっち系に詳しい知人に確認すると、日本刀の公開鍛錬もあるということ。
 これはもう、思い立ったが吉日。神のお導き。何かのフラグが立った感じ。
 で、土曜の深夜1時過ぎに車を飛ばして、急ぎ現地に向かったわけです。


 現地、岐阜県関市に着いたのは、朝7時過ぎ。
 9時のイベントオープンまでの間、街を散策しました。
 この地域には珍しい、江戸風の、素敵な街です。しかも美人が多い。
 刀の生産拠点として、また、その名の通りの関所のある地区として、事実上江戸幕府直轄地だったために、街並みが江戸風なんですよね。
 そのため、名産の和菓子も、葛餅を丸めたものとか若鮎とか、とっても東京下町チック。
 で、その街の中心地にあるのが、商工会議所。

 今回の私の主目的の一つである、アウトドアナイフショーの開催場所でもあります。


 なぜか、フェラーリの展示があったりして……

 なんの変哲もない、ただのフェラーリです。
 まだこの辺だと、外車自体が珍しい感じなんでしょうか?


 で、まずは佐治先生にご挨拶。

 実は、前回の鍛造ナイフ教室では、佐治先生は風邪を押しての指導で、ゆっくりお話を頂ける状況ではなかったのです。お礼を言う前に体調悪化でご自宅に帰られてしまったので、なんとかお礼を申したかったのです。(出発時間が時間でしたから、お土産を持って行けなかったのが残念ですが!)
 先生も、あのご病気の中、私の顔を覚えていてくださったので、感動いたしました。
 この、ナイフショーでのご挨拶の際に、先生の作られたミニフクロナタも購入しました。(こいつの解説は後ほど)
 その後、会場をウロウロとして、伊藤裕夫(伊藤裕翠
)氏の作られたフィッシング向きのクラフトナイフも安価に購入。

 伊藤氏は、釣りにちょっと詳しい人ならご存じの、あの、九頭竜川の鮎名人の伊藤さんと同一人物です。最近は釣りに向いたナイフ作りでも名を馳せているそうです。
 いやあ、クリエイターはかくあるべし、という感じです。


 これで取りあえず目的達成なのですが、ちょっと仕事の野暮用もあり、街をウロウロと。
 で、ちょっと規模の大きい春日神社を発見。

 この、関の街の春日神社は、随分と昔に分社されたそうで、関の鍛冶たちの中心地としての役目も果していたそうです。
 実際、関鍛冶伝承館は、春日神社に隣接していて、元々は神社の一部だったそうです。

 刃物を作るという行為は、古来、神に捧げる神聖な行為だったんですね。
 実際、どんな鍛冶場でも必ず神棚を置き、新年はじめの打ち始めには、神式の服を着て式を行うしきたりがあるわけです。
 身が引き締まる思いです。(ちなみに私がカトリックの洗礼を受けていない大きな理由の一つが、こうした、日本古来の神事との接点が多い、という事もあるのですが……)


 ちなみに、関鍛冶伝承館の中は、多くの日本刀でいっぱいでした。
 その中でも面白かったのが……

 ヒトラーとムッソリーニに贈った刀剣のお礼の品々(^^;
 うーん、良くも悪くも、関の刀剣は歴史の中で重要な位置を占めていたんですね。


 そして、いよいよ刀打ち!
 刀打ちは春日神社に面した鍛冶場で行われます。
 まさに神事です。

 普段はベルトハンマーで鍛造をしているそうですが、今回は古式に則り、鍛冶が先手を務め、その補助の打ち手を3人擁して、大規模な折り返し鍛接を見せてくださいました。

 時間の制限もあるので、折り返し鍛接のみで実際に刀を作刀するわけではありませんが、大変勉強になりました。
 ついでに、銘の入れ方を学んできました。



 その後は館内で、刀の外装の製作実演。
 研ぎだけでも、連日作業をして軽く1週間以上の大変な手間がかかるのです。




 その後は一路、自宅へ!
 大渋滞で大変でした。
 しかも、トンネルの山ほどある高速道路なのに、対面通行です(^^;

 今日は我ながら無茶なスケジュールでしたが、公私ともに大変満足出来る結果でした。


 さて。
 で、今回の戦果説明。
 まず、伊藤氏制作のフィッシングクラフトナイフ。刃渡り6センチ弱。

 こいつは、なんと粉末ダマスカスハイスステンレス製です。柄はナガスクジラの髭。
 しかも、伊藤氏がめったに作らないと仰っていた(実際伊藤氏も最初は右手用片刃だとして説明をされていた)両刃のクラフトナイフデザイン。
 クラフトナイフのまっすぐの刃は、海で非常に使い勝手がいいので、錆びない奴が欲しかったんですよね。しかも両刃なら左利きの私でも問題なく使えるわけで。

 まるで、宝石のようなナイフです。
 こういう凄いものが格安で、しかもご本人の説明と使い方解説付きで手に入るから、この手のイベントは楽しいんですよね。


 そして、今回の本命。佐治武士先生作、ミニフクロナガサ。13センチの小振りながら、白紙割り込みの本格派です。


 こいつは、本来はマタギの使ってきた鉈で、柄の部分の空洞に木の棒を刺せば、タテ(槍矛の一種)としても使えるというものがデザイン元。
 ただし、佐治先生のこれは、普段の使い勝手を考えた薄手の両刃で、あくまでも副鉈やアウトドア包丁としての利用を考えているそうです。

 佐治先生が素晴らしいと思うのは、特にそういう注文でもない限り、決して、飾っておくだけの使えない刃物は作らないという所なんですよね
 左利きの人間にとっては、両刃のマタギ鉈があるというだけで嬉しいのですが、それがアウトドア包丁として実用性の高いものとなると、さらに嬉しいわけで(^^;
 握りの部分も、きちんと鋼も軟鋼も握り部分まで回してはありますが、握りやすいグリップ形状に変形させてあり、特に上に何も巻かなくとも使えるようになっています。

 釣りの際に寄せた魚を突くのに使えるかなあと考え、いざというときのタテとしての利用についても聞いてみましたが、前述の通り、こいつは切れ味を追求して、そういう風には作っていないとのこと。
 タテに使うとあちこちぶつけるので、もっと分厚い、切れ味よりも頑丈さを優先したデザインのものを別に用意する方が良いそうです。
 なるほど。
 でもまあ、現代日本で、そんなごっついものをあちこちぶつけるような物騒な使い方をする場面なんて思いつかないので、私にはミニフクロナガサだけで、問題はないわけですが(^^;
 そもそも私はそういうごっついナイフは個人的に好みじゃないので、そういうのを買ったり作ったりすることはなさそうです(^^; (個人的意見ですが、ただでさえ荷物制限の入りやすい海や山にでかい刃物を持ち込むのは、何か根本で間違えている気がしてしまうのです)


追記:
 なお、日本でのナイフの取り扱いについては、下記、JKG(ジャパンナイフギルド)の下記「銃刀法・軽犯罪法とナイフ」の解説を必ず参照してください。
http://www.jkg.jp/law.htm
 絶対に、意味もなく街中に持ち歩いたりなんてしないように!
2008-05-19_01:01-teduka::General

Comments


No comments yet

Add Comments