日記詳細&コメント
BMCC動画
28日にBlackmagicCinemaCamera(BMCC)関連のイベントがあり、そこでの講演を依頼されました。
まあ、それはよくある話です。私自身講師もしている関係で、よくイベントでの講演は依頼されるわけで。
ところが、なんと、正式な依頼があったのが、私がロンドン出張とPhotokina参加のために日本を立つ2日前のこと。
そして、イベントは日本帰国3日後の開催だったのです……
Photokinaは重要イベントのため、現地での時間も分刻みで、さらに帰国後の2日間はPhotokina関連記事執筆で身動きが取れず、しかもこうしたコンベンションの常で帰りは巨大な荷物となるため、三脚のような大きな荷物は持ち帰りが困難になる状況。
四苦八苦して調整に成功した撮影可能時間が、合計4時間。しかも、ロンドンで2時間、ケルンで2時間と細切れ。
さらには、帰国後に、編集と指定されたApple keynoteでのレジュメ制作をするための合計時間が、睡眠時間ゼロで計算しても最大10時間強という状況。
しかもBMCCは、ご存じの通りカラーグレーディング必須の本格シネカメラなのです。
オリンパスPENのような旅カメラでもあるまいし、三脚無し、時間無し、余裕無しの旅先での本格シネカメラ撮影編集はどう考えても無理。無茶。無謀。
諦めて逃げだそうかとも思いましたが、ふと思いついてしまったのです。
「旅カメラ、って俺、口走ったな。。。「旅シネカメラ」ってどうなんだろう?」と
そもそもよく考えれば、8ミリも16ミリも、フィルム時代は普通に旅行先に旅カメラを持ち出していました。
それがデジタルになって出来ない道理は無い(筈!)
というわけで、「旅シネカメラ」で映像を作り、イベントを乗り切ろうというアホな強行軍がスタートしたわけです。
☆ロンドン、ナローボート編
まずは、実験も実験。
ロンドンでお客さんと会って話をしながら撮影しました(笑)
運河のキャナルボート、ナローボートと呼ばれる英国名物の船が、ロックといわれる原始的な機構を使って数メートルの高低差を移動する映像です。
水による船のエレベーターということで、私がどうしても見たい風景でしたので、撮影してみました。
「Narrow boat passes St. Pancras Lock 」
http://youtu.be/fkGXOHDatUg
ところがこの映像、一つ難がありました。
先述の通り荷物の都合でまともな三脚が無いため、ハンディスタイルで2.5K撮影した後、ソフトウェアスタビライザーで縁を切り取る処理をして手ぶれをとろうと思っていたのですが……
実は、このときはProres422による撮影のため、撮影サイズが強制的に1080Pだったのです!
そのため、手ぶれバリバリの映像に……
参加者の皆様には、大変申し訳なく思います。
しかし、BMCCのProres422の色の伸びや、限界点はよくわかる映像になったのでは無いかと思います。
まあ、ナローボートのロック越えを1度は見たかった自分にとっても、一生の思い出になりましたし(^^;
☆ケルン大聖堂編
続いて、ドイツケルンでのPhotokina最終日!
最終日は早めに会場が閉まるため、夕方から夜にかけて、2時間ほど撮影のチャンスがあったのです!(ドイツはサマータイム導入国のため、10月までは夜7時過ぎまで明るい)
ケルンといえば、やはりDOMと呼ばれる大聖堂!!
時間が時間なので中には入れませんでしたが、外の撮影だけでも十分な迫力があるはず!!
ええい、やっちまえ!と撮影をしたのがこの映像です。
「Köln DOM in German」
http://youtu.be/5QI9UxHzS9A
まず、そもそも撮影時に猛烈に後悔しました。
何しろ「三脚が無い」のです。これで直線が多くてブレがどうしても目だつ建物を撮影するのはどだい無理な話です。
しかも、いくらサマータイムとはいえ、所詮は夕方。相当に暗い!!!
ロンドンでの撮影物がProresのためソフトスタビ出来ない事はこのとき把握していましたので、RAW2.5Kでの撮影でしたが、そうなるとバッテリーの持ち時間も無い。
さらにはこの日の前半はPhotokina会場で人と会うことになっていましたので、荷物の都合上RIGや予備バッテリーを持ち出すことも困難な状況。
つまり、内蔵バッテリーでの一発撮りで、三脚無しの状況で、薄暗がりの中での撮影に成功しなければならなかったのです。
写真用の超軽量三脚はあったので、それを一脚のようにしてカメラを支え、後は体全体で力を加減しながらブレを軽減!!
手足で持つとどうしてもブレが出るので、大聖堂前の石畳に転がりながら、情けないスタイルでの撮影と相成りました。
しかし、そこは怪我の功名。我ながら大変に目だつ撮影をしていたため周囲の皆々様の興味を引き、おもしろがった人々(特にお子様たち……)から、さまざまな演技協力を得られつつの撮影が出来たのです。
鳩おいかけ回して貰ったり走り回って貰ったり、映像の出来はともかくとして、ドイツの皆さんの温かみを知る、素晴らしい撮影を楽しむことが出来ました。
☆そして編集&発表!!!
そして日本に帰ってきたのはいいですが、案の定、溜まりに溜まった仕事の山で、編集時間は全く取れません。
しかも、肝心のRetina MacBookProまで壊れてしまい、修理のために貴重な時間を使い果たしてしまう有様。
発表も、聞けば、他の発表者たちは素晴らしいテクニカルな発表を考えているようです。
そんな中、私一人「旅シネカメラ?」(^^;
いや、これもやむなし。恥は一時、不義理は一生。いろいろ準備をしてくださっている方々のことを思えば、やらないわけには参りません。
前日の深夜、ようやく時間を取ることに成功し、現行納品後にカラーグレーディング&編集にとりかかりましたが、もはやいちいちソフトを立ち上げ直してデータ移動をしている時間がありません。
そのため、カラーグレーディングだけでは無くmほとんど全ての編集やトランジションエフェクト作業をDa Vinci Resolve 9上で行い、Premiere CS6で音のみを後付けすることにしました。
さらには、Apple Keynoteの不安定さのため、期待していたProres422(HQ)での発表は無理で、もっと軽い圧縮形式での発表を余儀なくされてしまいました。多少ノイズの目だつ画面となりましたが、これもやむなし、です。
合計2本のミニムービーと、レジュメ1本を書くのにたったの7時間(^^;
しかし、ここはさすがBMCC&Da Vinci。REDなどでのトラブル経験から絶対に無理と思っていたこの作業は、実にあっさりと、ほぼノントラブルで終了してしまったのです。
この無茶苦茶なスケジュールのお陰で、BMCC&Da Vinciの使いやすさと安定性に改めて気づき、惚れ直してしまいましたよ。
今回は極端な例ですが、やるべき事を手持ちの時間の中で精一杯やるのが我々の仕事です。そう考えると、これほど頼もしい相棒たちはいないのでは無いかと思います。
……というわけで、イベント当日は、思い切って恥をかいて参りました。
参加された皆様、お楽しみ頂けたでしょうか?(^^;
無論、私は楽しみましたよ!
まあ、それはよくある話です。私自身講師もしている関係で、よくイベントでの講演は依頼されるわけで。
ところが、なんと、正式な依頼があったのが、私がロンドン出張とPhotokina参加のために日本を立つ2日前のこと。
そして、イベントは日本帰国3日後の開催だったのです……
Photokinaは重要イベントのため、現地での時間も分刻みで、さらに帰国後の2日間はPhotokina関連記事執筆で身動きが取れず、しかもこうしたコンベンションの常で帰りは巨大な荷物となるため、三脚のような大きな荷物は持ち帰りが困難になる状況。
四苦八苦して調整に成功した撮影可能時間が、合計4時間。しかも、ロンドンで2時間、ケルンで2時間と細切れ。
さらには、帰国後に、編集と指定されたApple keynoteでのレジュメ制作をするための合計時間が、睡眠時間ゼロで計算しても最大10時間強という状況。
しかもBMCCは、ご存じの通りカラーグレーディング必須の本格シネカメラなのです。
オリンパスPENのような旅カメラでもあるまいし、三脚無し、時間無し、余裕無しの旅先での本格シネカメラ撮影編集はどう考えても無理。無茶。無謀。
諦めて逃げだそうかとも思いましたが、ふと思いついてしまったのです。
「旅カメラ、って俺、口走ったな。。。「旅シネカメラ」ってどうなんだろう?」と
そもそもよく考えれば、8ミリも16ミリも、フィルム時代は普通に旅行先に旅カメラを持ち出していました。
それがデジタルになって出来ない道理は無い(筈!)
というわけで、「旅シネカメラ」で映像を作り、イベントを乗り切ろうというアホな強行軍がスタートしたわけです。
☆ロンドン、ナローボート編
まずは、実験も実験。
ロンドンでお客さんと会って話をしながら撮影しました(笑)
運河のキャナルボート、ナローボートと呼ばれる英国名物の船が、ロックといわれる原始的な機構を使って数メートルの高低差を移動する映像です。
水による船のエレベーターということで、私がどうしても見たい風景でしたので、撮影してみました。
「Narrow boat passes St. Pancras Lock 」
http://youtu.be/fkGXOHDatUg
ところがこの映像、一つ難がありました。
先述の通り荷物の都合でまともな三脚が無いため、ハンディスタイルで2.5K撮影した後、ソフトウェアスタビライザーで縁を切り取る処理をして手ぶれをとろうと思っていたのですが……
実は、このときはProres422による撮影のため、撮影サイズが強制的に1080Pだったのです!
そのため、手ぶれバリバリの映像に……
参加者の皆様には、大変申し訳なく思います。
しかし、BMCCのProres422の色の伸びや、限界点はよくわかる映像になったのでは無いかと思います。
まあ、ナローボートのロック越えを1度は見たかった自分にとっても、一生の思い出になりましたし(^^;
☆ケルン大聖堂編
続いて、ドイツケルンでのPhotokina最終日!
最終日は早めに会場が閉まるため、夕方から夜にかけて、2時間ほど撮影のチャンスがあったのです!(ドイツはサマータイム導入国のため、10月までは夜7時過ぎまで明るい)
ケルンといえば、やはりDOMと呼ばれる大聖堂!!
時間が時間なので中には入れませんでしたが、外の撮影だけでも十分な迫力があるはず!!
ええい、やっちまえ!と撮影をしたのがこの映像です。
「Köln DOM in German」
http://youtu.be/5QI9UxHzS9A
まず、そもそも撮影時に猛烈に後悔しました。
何しろ「三脚が無い」のです。これで直線が多くてブレがどうしても目だつ建物を撮影するのはどだい無理な話です。
しかも、いくらサマータイムとはいえ、所詮は夕方。相当に暗い!!!
ロンドンでの撮影物がProresのためソフトスタビ出来ない事はこのとき把握していましたので、RAW2.5Kでの撮影でしたが、そうなるとバッテリーの持ち時間も無い。
さらにはこの日の前半はPhotokina会場で人と会うことになっていましたので、荷物の都合上RIGや予備バッテリーを持ち出すことも困難な状況。
つまり、内蔵バッテリーでの一発撮りで、三脚無しの状況で、薄暗がりの中での撮影に成功しなければならなかったのです。
写真用の超軽量三脚はあったので、それを一脚のようにしてカメラを支え、後は体全体で力を加減しながらブレを軽減!!
手足で持つとどうしてもブレが出るので、大聖堂前の石畳に転がりながら、情けないスタイルでの撮影と相成りました。
しかし、そこは怪我の功名。我ながら大変に目だつ撮影をしていたため周囲の皆々様の興味を引き、おもしろがった人々(特にお子様たち……)から、さまざまな演技協力を得られつつの撮影が出来たのです。
鳩おいかけ回して貰ったり走り回って貰ったり、映像の出来はともかくとして、ドイツの皆さんの温かみを知る、素晴らしい撮影を楽しむことが出来ました。
☆そして編集&発表!!!
そして日本に帰ってきたのはいいですが、案の定、溜まりに溜まった仕事の山で、編集時間は全く取れません。
しかも、肝心のRetina MacBookProまで壊れてしまい、修理のために貴重な時間を使い果たしてしまう有様。
発表も、聞けば、他の発表者たちは素晴らしいテクニカルな発表を考えているようです。
そんな中、私一人「旅シネカメラ?」(^^;
いや、これもやむなし。恥は一時、不義理は一生。いろいろ準備をしてくださっている方々のことを思えば、やらないわけには参りません。
前日の深夜、ようやく時間を取ることに成功し、現行納品後にカラーグレーディング&編集にとりかかりましたが、もはやいちいちソフトを立ち上げ直してデータ移動をしている時間がありません。
そのため、カラーグレーディングだけでは無くmほとんど全ての編集やトランジションエフェクト作業をDa Vinci Resolve 9上で行い、Premiere CS6で音のみを後付けすることにしました。
さらには、Apple Keynoteの不安定さのため、期待していたProres422(HQ)での発表は無理で、もっと軽い圧縮形式での発表を余儀なくされてしまいました。多少ノイズの目だつ画面となりましたが、これもやむなし、です。
合計2本のミニムービーと、レジュメ1本を書くのにたったの7時間(^^;
しかし、ここはさすがBMCC&Da Vinci。REDなどでのトラブル経験から絶対に無理と思っていたこの作業は、実にあっさりと、ほぼノントラブルで終了してしまったのです。
この無茶苦茶なスケジュールのお陰で、BMCC&Da Vinciの使いやすさと安定性に改めて気づき、惚れ直してしまいましたよ。
今回は極端な例ですが、やるべき事を手持ちの時間の中で精一杯やるのが我々の仕事です。そう考えると、これほど頼もしい相棒たちはいないのでは無いかと思います。
……というわけで、イベント当日は、思い切って恥をかいて参りました。
参加された皆様、お楽しみ頂けたでしょうか?(^^;
無論、私は楽しみましたよ!
旅カメラ、ハンディシネカムとしてのBMCCというのは、実は凄いことだと思うのです。
私が驚いたのは、帰りの飛行機。
たまたま偶然タイの乗り継ぎで出会ったT氏と、飛行機内での撮影ができたのです。
これは、アレクサやREDではあり得ない事。
もちろん撮れた画は2.5Kで、フルHD出力に対する手ぶれ補正も出来ます。
とんでもない可能性を秘めているカメラだと思います。