鋼鉄の少女たち 2002 Autumn Topページへ
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手塚さん しけたさん


「鋼鉄の少女たち」対談
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第4部
●「絵が描けるからマンガ家」という時代ではない

手塚
 そういえば、個人の方のサイト、閉めちゃったんだって?

しけた
 いや、閉めたわけじゃなくって、貧乏ヒマなし状態で忙しすぎて返事がかけないだけです。
 で、やむを得ず、トップページ等を残してBBSなどは閉めたのですが。

手塚
 ・・・それを普通、閉めた、という。

しけた
 いえ、僕的にはそこはかとなく違うんです。
 ともあれ、いやはや、無礼をかましてしまって、同人のころからのファンの方々には申し訳ない限りです。

手塚
 でも、同人のころとは生活も、版権も世界観もなにもかもが別物だしね。
 プロになるとしょうがないよね、その辺は。

しけた
 いやいや。
 同人だろうがプロだろうか、ファンの方々あっての漫画家ですから。

手塚
 そもそも、私は映像演出家であって、漫画家じゃないしなあ。
 そういう世界はわからん。

しけた
 でも、漫画演出の仕事、好きでしょ?

手塚
 う。それは、まあ。ね。

しけた
 じゃあ、漫画家ですよ、あなたも。
 だったら、ファンを大事にしないと。

手塚
 うう、そういうの苦手なんだねえ。

しけた
 でも、これからはそういうのも大事ですよ。

手塚
 そうだねえ。
 じゃあ、ファンの皆さんの声を広く聞くようにします。はい。

しけた
 でも、手塚さんに限らず、他のジャンルのクリエイターさんの漫画業界参入って、今後も増えるんでしょうね。

手塚
 そうだね。
 コンピュータの力で、今まで漫画とは関係の無かった私のような他ジャンルのクリエイターが、どんどん参入して来るもんね。

しけた
 うちの漫画もハリウッド映画も、実は同じソフトウェアを使っているから、将来はハリウッドから漫画が量産される時代がくるかもしれないですね。

手塚
 ううん、こりゃ、うちだけじゃなくって、日本の漫画家全員がうかうかしてらんないねえ。

しけた
 ですね。
 これからは「絵が描けるからマンガ家」という時代ではなくなっていくんじゃないかと思うんです。
 すでに商業マンガはクオリティ的に一人で制作できるキャパシティを大幅に越えていますから。
 逆に手塚さんのようにストーリーやクオリティチェックをこなす立場の人間がマンガ家として名乗る時代になるんじゃないでしょうか。

手塚
 なるほどね。
 映像といっしょだ。

しけた
 そうです。
 映像監督は、実際にカメラを持つわけでも台詞をしゃべるわけでもないけど、明らかに映像は監督の制作物ですよね。
 漫画がそういう仕組みになったときにはマンガ家というより、「マンガ監督」という名前のほうが適当なのかもしれません。

手塚
 そうすると君、今マンガ家じゃないじゃない?

しけた
 う・・・僕はこの作品が世に出れば後はどうだっていいです。


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