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手塚さん しけたさん


「鋼鉄の少女たち」対談
-第2回-
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第3部
★鋼鉄世界の戦争と現実の戦争★

手塚

 でも、鋼鉄世界の戦争って、書いてて、いまいち萌えないんだよねぇ。


しけた

 へ? どこが気に入りませんか?
 自分で原作切っておいて生意気な。(*原作を書くことを、アイラでは≪原作を切る≫という。別に打ち切るわけではない。類似語「絵コンテを切る」)


手塚

 いや、だって、地上はいずってても、ねぇ・・・


しけた

 あぁ、なるほど。現代戦ですもんね。手塚さんの好きなの。


手塚

 特に、ゲリラ戦とか、萌え。後は、大量殺戮兵器を間に挟んだ静かな戦いも熱い!


しけた

 いやあ、でも現代戦はリアルすぎてだめですねぇ・・・
 戦争にロマンがあったころの方が、僕は好きですよ?


手塚

 あぁ、鋼鉄の世界はそれだから、まだ飛行機がないわけか。


しけた

 ま、そうです。戦車が兵器として役に立っていた、古き良き時代ですね。
 飛行機が無いのに無線があるのは、まあ、物語演出上の都合ってやつで。


手塚

 今は、戦車をまともな兵器として考えている国って、ほとんど無いもんねぇ。


しけた

 いくら航空戦力全盛の時代とはいえ、悲しいことです。


手塚

 いや、航空兵器の強さもあるけど、なにより、個人携帯兵器の性能向上が戦車の地位をいちぢるしく貶めてるでしょ?


しけた

 あぁ、アフガンゲリラとか、ですね。
 被害が戦果に見合わなくなって、結局戦車を引き上げて、空爆を繰り返すくらいしか手がなくなって行くんですよね。


手塚

 そうそう。結局ゲリラ戦術の盛んな地域では、戦車なんて単なる高価な棺おけになっちゃう。いくら戦車が強くても、一台で地方市町村の年間予算に匹敵するくらいの金額がするし、それに乗っている兵士はもっと金がかかってる。
 そんな高価な兵器と、その辺のお兄ちゃんやおばちゃんに3万円くらいの高性能対戦車ミサイルを持たせただけの安価なゲリラ兵2、3人とを引き換えじゃあ、割が合わなすぎる。そんなんじゃあ、戦争にならない。


しけた

 後は、指揮系統や戦術そのものの進歩も重要な要素ですよね。
 大国にエア・ランド・バトル戦術なんてやられたら、戦車なんて何の役にも立たない。


手塚

 そういうのも大きいね。そうした進歩した戦術が取れる国家が少ないとはいえ、物語として現代戦を描こうと思ったら、そうした戦術は避けて通れないしね。


しけた

 すると、戦車なんて出番なくなっちゃいますもんね。それじゃあつまんないですよね。


手塚

 そうだね。戦車だけじゃなくって、コンピュータの陰に隠れちゃって、個々人の兵士の顔だって見えてこない。
 もちろん、そうした戦術を破壊する戦術もあるにはあるんだけど・・・


しけた

 そういうのって、結局ゲリラとか、テロリズムですよね。


手塚

 そうそう。今は、さすがにそういうのを肯定できるような雰囲気の世の中じゃないしね。
 要は対テロ戦争とか、テロ反対って言うのは、一種、大国に利益を誘導する小国いじめの物言いなんだけど、そういうことを主張した作品を作っても良いかというのは、また別の話だから。

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