手塚さん | しけたさん |
「鋼鉄の少女たち」対談 -第2回- |
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しけた |
あ、そうそう。そういえば、今話題のテロ組織って全部、基本的に元々はアメリカの下部組織なんですよね。 |
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手塚 |
エア・ランド・バトル戦術を導入する前に使われていた、人間爆弾だよね、彼らは。 |
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しけた |
指揮系統(C3I)の破壊っていう目的達成のために、命を安価に捨てられる現地不正規兵を敵の後方に配置した、という訳ですね。 |
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手塚 |
そうそう。だから、彼らはアメリカの予算でそろえた武器を持って、アメリカ流の訓練を受けてるわけ。 |
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しけた |
・・・リストラですねぇ・・・(遠い目) |
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手塚 |
・・・さすがは元サラリーマン、察しがいい(笑) |
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しけた |
すると、いまの一連の戦争って、要は、ITでリストラされた社員が徒党を組んで、自分たちの首を切った大会社に嫌がらせをしている、という状態な訳ですね。 |
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手塚 |
それは、きわめて正確なたとえ話だと思うね。 |
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しけた |
まるで、わが身のことのように身にしみる話ですね・・・ |
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手塚 |
身にしみすぎて、物語にもなりゃしない。 |
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しけた |
とほほほほ。それで、アメリカ以外の国って、ターゲットになりにくいんですね。 |
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手塚 |
そうだねぇ。民間相手のテロだけはアメリカ以外の国が狙われてるけど、結局、それも、アメリカがその背後にいる場所がターゲットだしね。 |
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しけた |
まぁ、日本でも近いうち、確実にテロられますよね。 |
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手塚 |
ん? |
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しけた |
指揮系統破壊の話ですよ。二次大戦の前まではそういう発想って決して主流じゃ無かったですよね。 |
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手塚 |
そりゃあ、総力戦思想が蔓延した結果だよなぁ。 |
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しけた |
ま、そりゃそうですよね。 |
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手塚 |
そういう人道的な理由もさることながら、政治的な理由も大きいよね。 |
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しけた |
なるほど。アメリカが指揮系統破壊戦術にこだわるのは・・・ |
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手塚 |
二次大戦と朝鮮戦争、それに、ベトナム戦争あたりで懲りたんだろうね。 |
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しけた |
なるほど、指揮系統を破壊すれば、志願兵ならともかく、徴兵された一般人は、あっさり投降しますもんね。 |
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手塚 |
そうだね。あとは、仮想敵国の上層部や富裕層にワイロを送って、こっそりと敵国を混乱させておく、というのもとても大事だね。 |
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しけた |
ちょうど「鋼鉄の少女たち」も、そういう時期にあるんですよね。「連合」はアメリカ、「王国」が昔の日本ってわけで。 |
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手塚 |
まぁ、これはあくまで物語だから、決してそのまんま日米の関係ではないけれど、近いようにしてはあるよね。 |
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しけた |
「王国」の上層部も、見事に腐ってますしねえ。 |
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手塚 |
でも、実は「連合」側も総力戦は初めてだから、そこまで上手に捕虜の扱いや指揮系統破壊が戦えるはずも無い。 |
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しけた |
・・・悲惨ですねぇ。でも、そう考えると、その悲惨さゆえに、ロマンの入り込む余地もあるんですよねぇ。 |
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手塚 |
まぁ、戦争なんて、悲惨に決まってるしね。『萌え』なんていう訳のわからない私の自分勝手な理由だけで、戦争をただ単に格好よく描いてしまったら、それこそ人倫にもとる、というものだよ。 |
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しけた |
こういうのを描いてて思いますけど、戦争って絶対に嫌ですもんねぇ。 |
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手塚 |
そうだね、どんな資料を見ても、ともかく悲惨の一言だからね。 |
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しけた |
とにもかくにも、戦争反対、と。 |
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手塚 |
うんうん。 |
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しけた |
・・・とまあ、きれいにまとまったところで、今回はこの辺で。ですかね。 |
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手塚 |
じゃあ、私は家に帰って、療養の続きをします・・・ |
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しけた |
・・・お大事に・・・ |
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